スーパースター・ヴァーゴ マラッカ海峡クルーズ乗船記(2005年12月11日〜12月16日)

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今回は初「フライト&クルーズ」に挑戦、フライトは日本から数時間程度、土曜日から次の日曜日までの9日間で楽しめるものということで、ハワイクルーズとマラッカ海峡クルーズを比較しました。が、「ハワイは時差があるしセキュリティーチェックも面倒だ」「シンガポールのは友達が結構良いって言ってたよ」という夫の意見により、スーパースター・ヴァーゴ号(以下SSV)に乗船することになりました。
比較検討した内容
1日目 シンガポール(起点)出港16時
12時15分位にセントーサ島に渡るケーブルカーが出る「ワールドトレードセンター」に到着。タクシーを降りて建物の入り口に向かうと目の前に既にSSVが停泊しています。アジア最大、13階建の威容を誇ります。
よくわからないけどスーツケースやら大きな荷物を持った人達の流れと共に建物の中に入ると「Cruise Center」の行き先表示が出て来たので、さらにつき進みます。中国系とインド人が大半。1つ分エスカレーターを上がると乗船の長蛇の列が・・。SSVの客室カテゴリーは3つに分かれており、上からスイートルームの「アドミラル・クラス」、バルコニー付きの「バルコニー・クラス」、それ以外(窓あり、窓なし)の「ワールドクルーザー」となっています。バルコニーなしの海側の部屋は1人\100,000、バルコニー付きが\140,000でしたが、折角バルコニーが付いている客船なので「窓さえあればどっちでもいい」と思っているらしい夫にその必要性を熱く訴えてバルコニー・クラスを予約することが出来ました(ちなみに私が\40,000×2の差額を払いました)。
これが早速効力を発揮しました。長蛇の列はワールドクルーザー・クラスのもので、私達は赤い絨毯の敷いてある方に若干の優越感を持って進みました。その横にアドミラル・クラス用の入り口もありましたが、予約確認書を見せると何故か人もまばらなそちらの方に行けと言われました。「?」と思いましたが日本人には日本語の乗船案内があるため、特別なスペースが設けられていたのでした。バルコニー・クラスの列もそれなりに長かったので「日本人でヨカッタ」と思いつつ、おそらく同じ客室でも割高な料金を設定されているのだろうと思います。とにかくこの特別スペースで丁寧過ぎる位の説明を受け、そのすぐ横の扉から出国審査と荷物チェックのスペースに入り込みました。荷物を持ったまま何となくチェックインしてしまいましたが、荷物のみ別の所から預けられる様だとわかったのは船に乗り込んでからでした。

出国した後船に乗り込むため長い廊下を歩いた後、再びバルコニー・クラス用の赤い絨毯がありそちらに進むとボーディングブリッジがあり、夫に重い方のスーツケースを持ってもらって勾配を上りました。着いたフロアは7F、ホテルでいうとロビーフロアになります。

パスポートは本船で保管7Fのザ・プロムナードに乗船手前は同じスタークルーズのスター・ジェミナイ

ここでバルコニー・クラス以上はウェルカムドリンクがふるまわれます。ちなみにワールドクルーザー・クラスの人達は別のブリッジで6Fから乗り込んだ様でした。

とりあえず荷物が邪魔だったのでキャビンに向かいます。部屋番号は11116、居住エリアでは最上階です。場所的には右舷のやや後方で、船の真中にあるエレベーターと後方にあるエレベーターの間位でした。これは後方エレベーターの階数表示で、6Fから12Fまで移動出来ます。

事前にパンフレットで部屋の概要はわかっていたものの、長い廊下を歩いて部屋の前まで来ると期待で胸が高まります。

カードキーで鍵を開けると目の前に明るいバルコニーが目に入ります。バルコニーは部屋の大きさ分窓になるのでとても開放的でした。振り返るとこんな感じです。

広さは約20uとにっぽん丸のデラックスルームと同じ位ですが、このバルコニー分と、2つのベッドがダブルっぽくくっついているせいか若干広く感じられました。残念なのは衣類を入れる引き出しと、ビールを冷やす冷蔵庫がないことでした。
バスタブはありませんが、シャワーとトイレがそれぞれ独立しているので落ち着きます。
荷物を置いてすぐに「船内一人歩き」を持って船内探検に出ました。スタークルーズの船はギリシャ神話の星座を船の名前にしていることから、ヴァーゴ(乙女座)もそれをモチーフにしているかと思いきや、7Fレセプションフロアには巨大な三頭の金色の馬がドーンと存在を主張していました。左の写真は中央エレベーターと三頭の馬です。

その後船内にある3つの無料レストランと6つの有料レストラン、プールやジムやカラオケクラブをチェックしました。12Fにあるパルテノンプールの後ろ側にはパルテノン神殿をかたどったステージがありました。

15時半から、国際法で定められている船舶の避難訓練があるので乗客全員が各キャビン毎に定められた7Fのザ・プロムナードの指定の場所(アセンブリー・ステーション)に、部屋に備え付けのライフラフトを持って集合しました。係員の人に装着の仕方を教えてもらい、非常の際の説明を受けました。単音7回、長音1回が鳴らされると緊急事態で7F指定場所に集合となります。

16時から火曜日に船長が主催するガラ・ディナーの予約が7Fのザ・リド(劇場)であるというので、16時過ぎに夫に行ってもらいました。このディナーはバルコニー・クラス以上であれば、普段は有料のレストランのうち中華の「ザ・ノーブルハウス」又は和食の「侍」でセットメニューを無料で食べられるというもので、それなら絶対中華と思ったのですが、夫が予約会場に着いた時には既に多くの予約が入っており(中国人とインド人のせっかちさは凄まじいです)、結局第2希望の和食で21時というのが辛うじて取れました。ちなみにワールドクルーザー・クラスの場合は別料金でS$48かかります。

予約に出かけて行った夫が20分位戻らず、どうしたのかなぁと思ってふと外を見ると船がいつの間にか滑り出す様に出航していました。セントーサ島の横を抜けると沢山の商船群が停泊しており、なかなか壮観でした。

そろそろジョギングをしなくては、と着替えて外に行きましたが、ジョギング用に用意されている13Fの「スター・トラック」は1周200mと小さかったため、7Fのザ・プロムナードを走ることにしました。人がわらわらとたむろしていたりするのでぶつからないよう普段よりゆっくり目に走りました。プロムナードは本来は船の舳(オモテ)から艫(トモ)までぐるりと1周出来るようになっているのですが、この日はたまたま艫の方でカンカン(錆び落とし)をしていたため通行止めになっていて、仕方なく引き返してUの字型に走りました。右舷から左舷まで1まわり500m弱はあったと思います。暑い中1時間程まじめに走ったためかなり疲れました。もう終わりかと思ったら右舷前方にK LINE(川崎汽船)の中型コンテナ船が並走しており、「あれを抜かすまで走ろう」と余分に10分程走ってしまいました。

部屋に戻るとすかさずビールスイッチがONに入り、シャワーをしてすぐの19時頃、13Fプール上の「ザ・タベルナ」ビアガーデンに行きました。キンキンに冷えた生ビールとフライドポテト、オニオンリングを注文し超幸せな気分です。暮れ行く夕日を眺めながらフネ好き、海好き、ビール好きにはたまらない時間を過ごしました。

アペタイザーを食べ終わったので夕食に行くことにしましたが、無料レストランの「ベラ・ビスタ」に行った所洋食は満席につき1時間待ちの20時半と言われてしまいました。同じレストランで中華も出すとのことで、こちらはすぐ入れると言われましたが待つのはちょっと嫌そうな夫に無理強いをして待ってもらうことにしました。夫は間が持たないからバーに行こうと言い、部屋に戻るのも確かにいまひとつという感じだったので8F中央にある「ベリーニ」に行きました。夫は赤ワイン2杯、私はシンガポールスリングを1杯飲みました。

漸く入れた「ベラ・ビスタ」は6F最後部にありますが、一番船尾側では天井が2階分吹き抜けとなっている雰囲気のあるレストランでした。メニューは前菜、スープ、メイン、デザート数種類から選ぶ方式でした。夫はシーザーサラダ、パンプキンスープ、魚のフィレ、フルーツとワイン1杯、私はシーフードのマリネ、チキンブロス、リブアイステーキ、アップルストゥルーデルにしました。味はなかなかでした。

部屋に戻るや否や夫に睡魔が襲いかかり、歯も磨かずにいびきをかき始めました。