スーパースター・ヴァーゴ マラッカ海峡クルーズ乗船記(2005年12月12日)

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2日目 ペナン(シンガポールから388海里)入港12時 出港20時

前の晩夫が熟睡している中、文庫本を一気読みしてしまったため、朝はかなり眠かったのですが9時半位に起床。そのまま朝食はバイキングの「メディテレイニアン・ビュッフェ」に行きました。料理は普通のとベジタリアン用の2種類があり、カフェテラス方式に取って行くのですが、思ったより種類が少なく1周してもお皿がスカスカでした。慌ててもう1度シリアルを取りに行きました。かなり混んでいてかなり散らかっていましたが、外のテラスの方に席を見つけることが出来ました。散らかり具合が日本船では考えられない位ですが 、巨大船の真っ直ぐな航跡を見ながらの朝食もなかなかです。
それなりに満腹した後、12Fの[「ギャラクシー・オブ・ザ・スターズ」から小さい階段を降りると11Fのブリッジがガラスで仕切られていて背後から見学出来る様になっています。最近の外国船はユニバーサルブリッジと言って当直の航海士が座って操船しています。またここにスタークルーズ系の会社(Norwegian Cruise Line、Star Cruises、NCL America、Orient Line)の保有船の写真と仕様が一覧にしてあったり、SSVのエンジンや燃料、各種消費量が書いてあり大変興味深く見学してしまいました。

SSV仕様
1週間の消費量

その後は一旦部屋に戻りペナンに着くまでのんびりと持参した双眼鏡を使って外を眺めていました。次第に右舷に高層ビルの立ち並ぶ島が近くなりました。 ペナンの港は十分に大きくないため、SSVからは通船と本船のテンダーボート(写真はオプショナルツアー客を一度に運ぶための大型)で上陸します。

入港時間の12時になると、船内放送でオプショナルツアーを申し込んだ人達を案内し始めました。私達はどちらかと言うと乗ったままでもよかったのですが、折角だからと少しだけ上陸することにしました。ツアー以外の客も呼び出しがかかり、「ザ・リド」に行くと胸に番号の入ったシールを貼られ、とりあえず劇場のシートに座らされました。私達は306番と307番でしたが、50人づつ呼ばれて5Fに降りて行きました。そこで50人乗り位のテンダーボートに乗りこみました。そこから港までは10分ちょっとです。

テンダーボートを降りると長い通路をタクシーの客引きが声をかけて来るのを無視して歩きました。SSVの乗客は乗船の時にパスポートは船に預けるため、フェリーが対岸に到着した風な上陸で、シンガポールから隣国のマレーシアに到着したという実感はありませんでしたが、1銭も持たないのは心もとないので1,000円分だけマレーシアリンギットに両替して外に出ました。
船でくれた日本語の地図はいまいちだったため、ツーリストインフォメーションで地図をもらってとりあえず大きな道の方に歩き始めると公園の隣に史跡みたいのがあり、Fort Cornwallisという砦みたいだったので1人3リンギット払って中に入ることにしました。

中は星型の要塞がそのまま残っていて、海の方には古い大砲が狙いを定めて置いてありました。マレー語と英語で説明があったのですが面倒なのでつい読み飛ばしてしまいました。が、適当に読んだ情報を総合すると1700年代後半にイギリス人が作ったこと、その人達がペナンを作ったらしいこと、さらに東インド会社も関係するらしいです。かなりいい加減。

要塞の後は何かみやげ物でもと思いジョージタウンの街中に入って行きましたが、まず車とバイク(ホンダカブみたいな小さいやつ)が無秩序。って言うか信号が極端に少なく横断歩道もありません。車がなかなか途切れないので、ちょっと車間が空いたら目で制して気合で渡ります。渡らせてくれようとする車はなく、止まろうとする車は客引きのタクシーのみでした。街の中はまた一言、「汚」。よその国のことを悪く言うつもりは全くなく、ただ事実として汚かったです。夫は昭和30年代の東京もこんなモンだと言いましたが、ちょっと違うのでは・・・と思います。

写真の様に小ぎれいなメインストリートっぽい道もありますが、1本中に入ると雰囲気が変わります。リンギットを余らせたくなかったのですが購買欲も沸かず、30分歩いたか歩かないかで船に戻ることにしました。港のコンビニ風の所でポテトチップスとコーラと水を買いましたが、冷蔵庫がないためビールを買うことが出来なかったのは残念でした。

遠くから見るSSVはバランスの取れた綺麗な船です中央飾り窓が「ベラ・ビスタ」レストランテンダーボートは湖の遊覧船位のサイズです
本船の大きさに圧倒されます

再びテンダーボートに乗って船に戻り、今度は泳いでみることにしました。「パルテノン・プール」は15m位あり、真面目に泳ぐとそれなりの運動になります。船旅はどうしても沢山食べてしまうため、乗船中の運動は必須です。プールで30分位泳ぎ、今度はスポーツジムの中にある「アクアスイム」(水流のある小さいプール)で泳いでみました。が、これは流速が十分でなく、普通に泳いでしまうと前進して水流を作り出しているジャグージーの噴出し口みたいのに突っ込んでしまいます。ゆっくり泳いで調節出来なくはないですが、夫がそんなにゆっくり泳ぐと沈んでしまうと言うので早々に退散して再びパルテノンプールに戻りました。そこで更に10分泳いだあと、13F「スター・トラック」脇のデッキでしばし読書を楽しみました。

運動をした後はビールです。この日は自室のバルコニーでと決めていたので、シャワーの後ルームサービスのビールを注文しました。ビールそのものはTiger Beerの350ml缶がS$5、これに15%のサービスチャージと配達料S$3がかかります。まとめて3本注文しました。これと前日シンガポールで買った、かっぱえびせんのタイバージョン(スパイシー味)をつまみにしばらく読書をしていました。
夕食は「メディテレイニアン・ビュッフェ 」で18時半からバーベキューがあるのを楽しみに、少し早めにプールサイドに出かけて行きました。そうしたら既に始まっていてぱっと見渡した所空席がありませんでした。が6人掛けの席にフィリピン人のカップルが1組というのを見つけ、相席OKとのことだったのでそこに座りました。男性の方は現地の船会社を経営しているということで、船会社同士、夫と話が弾んでおりました。
バーベキューはチキンとソーセージと牛肉で、バーベキューソースは置いてありますが、アジア船ならではの醤油も置いてあるのがイイ。これにサワークリームとネギをかけてかなり食べました。外で食べる食事は大体美味しい物ですがそれが船の上となると、フネ好き、海好き、肉好きにはもう応えられません。

デザートは欲張ってチーズケーキ、アップルパイ(いまいち)、シュヴァルツヴァルド(チョコとチェリーのケーキ)、フルーツトリュフ、クッキーとアイスを完食。詰め込もうと思えばまだ行けましたが、「今日はこの位で勘弁しといてやる」と言い残してディナーを終了しました。

急に風が強くなったなぁと思いつつそのまま13Fの舳(オモテ)「オブザベーションデッキ」に行き、いつの間にか出航していた船の行き先をぼんやりと眺めていました(風が強くなったのではなく、船が走っていたのでした)。青と赤に光る浮標の間を抜けて行く様子は、一瞬にっぽん丸の出航と重なりましたがこちらは南洋で霧もなく、しかも最初から行き足が早い様に感じました。しかしこれだけの大きさの物を巡航25ノットで動かすなんて本当に恐ろしいパワーです。