にっぽん丸 ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ乗船記(2008年12月28日)

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2日目 航海日
夫が起床して7時過ぎにデッキを歩きに行くと、船尾に鳥島が見えたそうです。相変わらず船はピッチングしていましたが、我慢出来ない程ではありません。
8時ちょうどに「にっぽん丸」恒例の、八点鐘と船長の挨拶がありました。それによると本船は横浜から330マイル(610km)の地点におり、前の晩よりは揺れなくなったもののまだ風も強くうねりも残っているため、9時15分から予定されていた避難訓練は翌日に順延するとのことでした。

「12月28日の八点鐘」 674KB
(汽笛やら八点鐘やらデジカメの動画機能で録音していますが、「音テツ」ならぬ「音フネ」の先駆者…、になるわけないか)

「にっぽん丸」では朝食は8時半までにダイニングルームに行く必要があります。外国船に比べると締め切り時刻が早くて辛いものがあります。本日は二人とも洋食をチョイスし、久しぶりなのでその場で目玉焼きを作ってもらいました。楽しみにしていた特製パンも本当はもっと食べたいところ、航海日は運動不足になりそうなので控えてあります。

9時前後、嬬婦岩に再接近しました。避難訓練の順延で、10時からの予定だった「ソシアルダンス教室」が9時からに繰り上がったため、4F「ドルフィン・ホール」に移動する際に右舷に見えたので慌てて撮影しました。
航海日は毎回開催されるであろう「ソシアル・ダンス教室」の初日は「マンボ」でした。本船では2005年の8月末の「道東と平泉クルーズ」で、また昨年の「飛鳥U」の「年末年始グアム・サイパンクルーズ」でも習ったので、夫も「これならわかる」と余裕の表情でした。スケジュールの繰上げは船内に周知出来ていなかったのか、本来予定されていた10時からも同じプログラムでダンス教室は開催されると案内がありました。
同じ「マンボ」を二度も習う必要はないので、10時15分からは7F「リド・テラス」で肩こりスッキリ体操をしに行きました。これは肩甲骨の動きをスムーズにする運動を中心に行い、終わった後はかなり肩がラクになりました。ところで、後からわかったのですが、10時からのダンス教室は9時からの人たちがそのまま居残ったらしく、先生が急遽プログラムを「ブルース」に差し替えたようでした。
その後6Fのブリッジ見学に行きました。私はつい最近までこの丸窓のようなものがワイパーだとは知らず、何でこんな美観を損ねるものが客船にまでついているのか不思議でした。
このクルーズでは昼食も2回制で、1回目は11時半、2回目は13時からなのですが、2回目の乗客用に4F「ドルフィン・ホール」11時半から「入国・ツアー説明会」がありました。ツアーの集合場所等の説明もありましたが、今回はグアムでレンタカーするのみでツアーの予約はしていません。

昼食はパスして4F「プロムナード・デッキ」を1時間弱歩きました(走れないので仕方ありません)。本船はほぼ真南を向いているので、正午を過ぎると右舷は明るく暖かいのですが左舷はちょっと寂しい感じになっています。私達の部屋は左舷D12で、見上げたテンダーボート「ゆうなぎ」の下あたりです。

13時過ぎにデッキと窓ガラスの清掃が始まりました。一晩うねりの中を航海してきたので、窓ガラスにはかなり海水の塩が付着して白っぽくなっていたからです。この辺は流石客船、当たり前ですがほったらかしのフェリーとは一味違います。
本日はフォーマルナイトですが、ちょっとお腹が空いたので15時に6Fラウンジ「海」でアフタヌーンティーをすることにしました。
お菓子は大好物のフロランタン(クッキー生地にキャラメルでコーティングしたアーモンドスライスが載っている焼き菓子)だったので、一気に合計4切れも食べてしまいました。これを本船のベーカリーで作っていると思うと美味しさもなおさらです。
17時過ぎにお約束のビアタイムとなりました。部屋に毎日缶ビールがサービスされるのですが、ちょっと冷蔵庫の冷えが足りず残念でした。

19時からは船長主催のカクテルパーティーです。普段着慣れない物や装飾品を身につけるのに時間がかかるため、タキシードを着る夫と共に1時間も前から準備を始めました。

本航海の番留(ばんどめ)船長はデビュー間もないそうですが、変わった苗字とこういうルックスですが正真正銘の日本人です、と笑いを取った後、恒例のオフィサー紹介も無難にこなしていました。右の写真は左から機関長、チーフ・パーサー、通信局長、船医です。

我々はその船長テーブルに招待されていました。デラックス・ルームでインフォーマル以上の食事は4回目で、チーフ・パーサー1回と機関長のテーブルに2回就いたことはありましたが、船長は初めてです。スイート・ルームのご夫妻と、鹿児島、旭川からのご夫妻と私達計4組+船長というフォーメーションでした。
〜前菜〜
焼き平貝のマリネ、雲丹ゼリー寄せ
〜スープ〜
フカヒレ・スープ
〜魚料理〜
金目鯛のグリル バルサミコ・ソース
〜グラニテ〜
葡萄のグラニテ
〜肉料理〜 〜サラダ〜
黒毛和牛ロースト
変わり野菜のサラダ・サーロイン
〜デザート〜
メロン&栗とコオナッツのタルト
マンゴー・アイスクリーム添え

料理が進むにつれ、最初は緊張していた乗客同士の会話も弾むようになりました。それにしても「にっぽん丸」の食事は凝っていると改めて感じました。例えば、肉料理の付け合せには三色ポテト(シャトークイン、インカのめざめ、ノーザンルビー)を使っていたり、変わり野菜のサラダには「クリスタル・リーフ」という、葉のまわりに透明のツブツブが水滴のようについている、生まれて初めて食べる食材が使われていました。このほか「カステルフランコ」というチコリの一種でワインレッド色の模様が入っているものや、「タルティーボ」(赤チコリ)、「ピンクロッサ」(赤レタス)、「チューリップ」、「フェンネル」(和名はウイキョウだそうです)と、サラダの野菜はすべて生まれて初めて状態でした。
しかし今晩一番感動したのは和牛のローストです。本船の料理長はその時々で一番状態のいい食材を仕入れてくるそうですが、この和牛はまさに絶品でした。口に入れた瞬間にやわからくほぐれ、香ばしい肉汁が広がりました。生まれて初めて野菜に続き、これは生涯ベスト5に入る牛肉料理でした。
本日のメインショーは21時半から「ケイト・オカ マジック・ショー」でした。種も仕掛けもあるのでしょうが、箱に女性が入って階段のようにズレるマジックはやはり不思議です。
22時45分からは本日最後のイベント、4F「ドルフィン・ホール」でのソシアルダンス・タイムがありました。一年前の「飛鳥U」での初心者向け教室、NHKテレビのダンス講座の録画視聴など、ブルースとワルツはそれなりに踊れるようになったつもりですが、朝のダンス教室にマイシューズ派が沢山いてレベルが高そうだったことから、まずは5F席からちょっと偵察してみました。「飛鳥U」で言うと「クラブ2100」のような本格的な雰囲気が漂っていました。
ここで引き下がってはもったいない、折角のフォーマルナイトだからと意を決して二人で4Fに出陣しました。周囲の目を気にする夫に「誰も見てない!」と励まし(?)、これならブルースがいける、とカウントを取りながら何とか踊ることが出来ました。記念すべき「にっぽん丸」でのダンスデビューでした。「飛鳥U」の11Fにある「パームコート」のような、気軽な感じのダンスフロアが本船にもあったらいいのになぁと思います。
ダンスが終わり、部屋に戻って装束を解き寛いでGPS画面を見ると、北緯25度まで下りてきていました。日中は波高3m〜4.5mとのことでしたが、いつの間にか揺れは小さくなっていました。明日の朝までに30分の時刻改正が行われるので時計を30分進めてから就寝しました。