ぱしふぃっくびいなす 秋の屋久島・奄美大島クルーズ乗船記 (2009年9月19日)

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2日目 航海日
9時からオリエンテーションと避難訓練があるので、逆算して7時半に起きることにしました。GPS図によれば熊野灘を潮岬めがけて航行している所でした。

カーテンを開けるととてもいい天気です。本船は9Fから上が幅が狭くなっていて、9Fの窓からは8Fのボートデッキが見下ろせるのですが、この雰囲気はかなりフェリーを彷彿とさせています。
朝食は7Fメインダイニングの「プリマベーラ」で、和食を選択しました。洋食はバイキング方式なので、和食を頼んでテーブルに並べてもらっている間に洋食のサラダや果物を取って来るのが効率的です。
「にっぽん丸」は納豆がそれぞれのテーブルに積んであったと思いますが、本船ではオーダーする方式だったのは夫曰く「やっぱり大阪のフネだからだな」。量が適度で美味しかったです。

食事が終わって一旦部屋に戻る際「新日本海フェリー(ゆうかり)との類似点その@」を発見。この廊下の雰囲気はかなり似ていると思います。

左が本船「ぱしふぃっく びいなす」
右が新日本海フェリー「ゆうかり」

部屋に戻るとすっきりと部屋が片付いていました。これが船旅のいいところです。
9時からは8Fメインホール「テアトル ピアッツァ」で船内生活のオリエンテーションがありました。興味深かったのはくれぐれもトイレには異物を流さないで、という注意のところでのトイレの下水管の細さを「ボールペンの軸ぐらい」と説明したことです。そんなところを何かが流れる所など想像つきませんが、詰まってしまうと回復するのは大変そうです。こうして毎回注意するにもかかわらず、1ヶ月に1回ぐらい物が詰まってしまうのだそうです。
船内生活の説明のあとは、この後の寄港地である屋久島と奄美大島の見所を教えてくれましたが、この時間はちょっと押し気味でした。そして一旦部屋に戻ってライフジャケットを着込み、恒例の避難訓練がありました。単音7回、長音1回の汽笛と警報が鳴ると全員避難場所(Muster Station)に集合するのですが、この警報のことを「タンナナ、チョウイチ」とも言ったのは初めて聞きました。
その後は10時半から初心者向けダンス教室があるので、7Fメインラウンジ「ル・パシフィーク」へ。やはり初心者と言えば定番のマンボで、二人で復習をしました。ちなみにチャチャチャの曲が流れた時にマンボで踊れるのだそうです。
ダンス教室のあと間もなく昼食タイムになったので、今なら一番デッキに人が少ないだろう、と早々にジョギングしてしまうことにしました。本船は3周したら1km(1周336m)とのことだったので、21周走りました。晴天のもと海の上で走るのは爽快です。

ジョギング中に「新日本海フェリー(ゆうかり)との類似点そのA」がありました。とは言えフネの舳先はみんなこんなものかもしれません。

左が本船「ぱしふぃっ くびいなす」
右が新日本海フェリー「ゆうかり」

この辺りは紀伊水道から大阪や神戸に回る貨物船が遠くに見えました。

左:商船三井近海の「YUUAZAN」
右:尾道佐藤汽船が傭船に出している
「RUBIN PEARL」

「YUUZAN」は2007年出来で綺麗なのはわかりますが、「RUBIN」は94年出来に見えない程良く手入れされているようでした。

デッキを走り終えてから10Fにあるとても広い「スポーツデッキ」に行き、折角だからと数本ダッシュをやりました。この場所は2009年7月の皆既日食クルーズの際、天体望遠鏡が所狭しと並んだところです。本船は雲を避けて北硫黄島付近を航行し、その様子はテレビでも放映されました。
ダッシュの後、ファンネルの下の部分にある11F「ジム」をチェックしがてら、ランニングマシンで軽く走ってみました。と言うことで本日の走行距離は約8kmとなりました。デッキでもジムでも走れるのは嬉しいことです。

帰りに10Fのスイートルーム入口付近で「新日本海フェリー(ゆうかり)との類似点そのB」を発見。インテリアの色目は違いますが、雰囲気はそっくりです。

左が本船「ぱしふぃっ くびいなす」
右が新日本海フェリー「ゆうかり」

戻ってシャワーをしてさっぱりした後は洗濯タイムです。本船ではランドリーが各階に配置してあり、しかも8Fから10Fは小規模ながら2箇所にあります。キャビンを予約する際、夫が気を利かせてランドリーの近くを指定していたため、とてもラクに洗濯することが出来ました。それから、本船に乗船してまるで外国船のような匂いがするような気がしたのですが、備え付けの舶来乾燥機用シートソフトナーの効果かもしれません。
ちょうどおやつタイムに差し掛かり少しお腹も空いたので、7Fオープンバー「ウィンド オブ メコン」のアフタヌーンティーに行くことにしました。ケーキは4種類もあり、1つずつ取ってきてシェアしました。
そろそろ本船は室戸岬沖に差し掛かります。昼間なのであまり気になりませんでしたが、海は結構うねっており、8Fのデッキは潮で洗われたのが乾いて塩が浮いていました。それから7Fのダイニングにいるとわかるのですが「ズゴゴゴゴ」という音と共にフィンスタビライザー(横揺れ防止装置)が大活躍しているようでした。
16時過ぎに室戸岬灯台が見えました。日本の灯台50選のうちの1つだそうで、光達距離26海里もあるそうです。かなり白波が立っているのがわかります。
17時からはキャプテン主催のカクテルパーティーがあるので、そろそろ部屋に戻ってビアタイムにすることにしました。
カクテルパーティーは8Fメインホール「テアトル ピアッツァ」です。天井が高くて開放感がありますが、階段状になっていないため後ろの方の席だと前が見づらいのが難点です。今回の乗客は300名台のようで、食事は2回制ですが、パーティーは1回になります。
恒川船長は「日本海の荒波に揉まれ、7月に本船の船長になったばかりの・・・」と紹介されていたので、つい最近まで新日本海フェリーの方で船長をしていたのかもしれません。
船長の挨拶に続き、主だったオフィサーがそれぞれマイクを握り挨拶をしました。他船では船長がオフィサーの紹介をするだけなので、これは今までにない経験でした。本船が「フレンドシップ」と呼ばれる所以でしょうか。
カクテルパーティが17時半に終わってしまうと19時半の食事まで何もすることがありません。今なら大浴場に誰もいなくて写真撮影が出来るかもしれない、と行ってみるとちょうど一人出てきて無人状態に。という訳で無事撮影することが出来ました。でもこの無人状態はあまりに勿体無いと、一旦装束を解いて入浴することにしました。

浴場も「新日本海フェリー(ゆうかり)との類似点そのC」状態でした。

左が本船「ぱしふぃっ くびいなす」
右が新日本海フェリー「ゆうかり」
左が本船「ぱしふぃっ くびいなす」
右が新日本海フェリー「ゆうかり」

お湯は適温で、シャワーの湯量もこちらはバッチリでした。

時間になったのでメインダイニングに行くと、本船専属の「アコースティックトリオ」が音楽で迎えてくれました。
本日はフレンチのコースです。タイミングが良かったのか、窓際の席に案内されました。とは言え、流石にこの時間はどっぷりと日が暮れているのであまり関係ありません。

空腹だったせいかどんどん食べ進んでしまい、ダイニングのスタッフはそれを見越してテンポ良く料理を運んでくれるので、21時前には夕食を終わってしまいました。

若鶏のコンフィ 蜂蜜風味のピンチョス生ハムとフリットした秋野菜のサラダちゃんとしたバターケース
食事中も「新日本海フェリー(ゆうかり)との類似点そのD」がありました。やはり、共通のスープ皿を使用していました。

左が本船「ぱしふぃっ くびいなす」
右が新日本海フェリー「ゆうかり」
ポテトのクリームスープ(ビシソワーズ味噌風味)
グラスワイン(白)帆立貝柱のソテーと茄子のグラタン苔桃のシャーベット
グラスワイン(赤)特選牛フィレ肉のロースト
林檎とマスタードのソース
マンゴーとココナツのムース

メインショー「牧山純子ジャズナイト」までは30分近く時間があったので、7Fメインラウンジ「ル・パシフィーク」に行ってみることにしました。ダンスフリータイムなので気楽に踊れるだろうと思ったのですが、あまりに人が少なく夫が尻込みしています。ダンスフロアで踊れる機会なんてあまりないから、としつこく誘いましたが残念ながら不発に終わりました。
気を取り直して21時15分から「牧山純子ジャズナイト」を聴きに行きました。やはり後方の席からだとステージが見辛いです。
22時過ぎに部屋に戻ると、本船は足摺岬を越えて日向灘を南下しているところでした。