8日目 8月21日(土曜日) インヴァゴードン(インヴァネス) 入港8時 出港17時
朝7時頃起きると丁度パイロット船が近づいてくる所でした。前方を見るとインヴァゴードンが見えているようでした。今日はオプショナルツアーで「ネス湖とアーカート城」という予約を入れており、その集合時刻が8時20分だったのでいつもより早めに「リド・レストラン」に出向きました。

と言っても7時に朝食に行きました。軽めに、と思いましたが久々に「グラノーラ」(シリアルの一種)を食べたのでぐっとお腹にたまりました。

と夫を見ると「スクランブルエッグの所に並んでいたら抜かされたから面倒になって戻って来た」と小さなクロワッサンが1つだったので、見かねて卵セット一式を取りに行ってくることにしました。我ながら親切だったと思いますが、変な時間に「腹減った」と言って観光スケジュールを乱させないための先手とも言えます。
インヴァゴードンはネス川河口の小さな港町でクルーズターミナルのようなものはなく、本船はジェティーに付けるようでした。
その先には教会の尖塔が見え、北ヨーロッパの街といった風景が広がっていました。
8時半過ぎに下船すると、バグパイプの歓迎演奏がありました。今回のツアーも旅行会社の添乗員さんが同行してくれるので安心です。
ジェティーの先にいた観光バスに乗車して8時40分頃出発しました。まずインヴァゴードンのあるクロマーティー・ファース(Cromartie Firth)沿いにA9という道を使ってインヴァネスの方に向かいます。
ベルファストの時は英語の訛りが聞き取り辛かったのですが、今日の男性ガイドさんの英語は大丈夫でした。それでもしばらくの間「firth」という単語がわからず、それはそもそも語彙になかったからだったのですが、何度か出て来るうちに「狭い湾や河口」のような意味だろうとわかりました。オイル・リグが見えました。
この辺りはオットセイ(Seal)が沢山いるのですよ、との説明の通り岩場で数匹が日光浴しているのが見えました。オットセイも特段珍しい動物ではないのに、野生のものがいるとつい興奮してしまいます。
いくつかの蒸留所の近くを抜けインヴァネスからはA82を使いネス湖(Loch Ness)を目指します。、このガイドさんは色々なことを話してくれたのですが、イギリスの道路番号はロンドンから出る主要道路が時計回りにA1からA6まで、エジンバラから同様にA7からA9が割り振られていると聞き、こんな北でA9という番号の小さい道がある理由がわかりました。
ハイランド地方の風景を楽しみながら1時間ちょっとでネス湖が見えて来ました。スコットランドの地図を見ると、東岸のインヴァネスから西岸のフォート・ウィリアム(Fort William)に延びる「大きなスラッシュ(ガイドさん談)」の線上にある、長さ36km、幅は最大でも2kmの細長い湖です。なお、フォート・ウィリアムの近くには英国最高峰のベン・ネビス山(Ben Nevis)1,344mがあり、頂に霧のかかった山という意味だそうです。
各観光バスが一斉に到着した所でビジターセンターは大変な混雑でしたが、まずはネス湖の紹介ビデオ(英国人は好んでAudio Visualといいます)見てから城の方に歩いていくことにしました。
スコットランドの歴史については全く知らない訳ではありませんでしたが、夫がブログに書いている通り想像以上に血生臭いことを繰り返していることを再認識しました。そしてビデオが終わるとスクリーンがするすると上がり、目の前のカーテンが開いて目前に廃墟となったアーカート城(Urquhrart Castle)とその後ろにネス湖が広がりました。これはなかなかの演出です。
ビデオ上映を1回分待たされたため、城方面を散策する時間は正味15分程になってしまったので、早足で廃墟を回ることにします。

「ネッシーより怖いもの(2010年8月22日)」

日本では使われなくなった建築物は朽ち果ててなくなってしまいますが、こちらでは頑丈な石作りのため輪郭を残します。同じ場所で同じ景色を見た中世の人々に思いを馳せました。

残念ながらネッシーの姿を見ることは出来ませんでした。
夫のブログにも登場したこの投石器は英語で”trebuchet”と言い、レプリカですがこのサイズだと11kgの石を正確に140m先まで飛ばすことが出来るそうでした。城を攻略するためとは言え力任せ感が強く思わず「野蛮人・・・」という言葉が頭に浮かびました。
最後にみやげ物屋でネッシーぬいぐるみを買いました(これはインヴァネスのみやげ物にも同じ物がありました)。結局ネス湖には1時間滞在し、帰りのバスは11時頃出発しました。
ガイドさんがスコットランドの道路標識はゲール語が黄色い字、その下に白い字で英語となっていると教えてくれたとおり、インヴァネス(英語でInverness)は「Inbhir Nis」と書いてあり、これは「ネス(川)の河口」という意味だそうです。
そして、道路脇の「ネス湖エキシビジョンセンター(Loch Ness Exhibition Centre)」の建物の先の池に「ネッシーがいるんですよ!ほら!」と教えてくれました。バスがゆっくり目に走ってくれたこともありますが、運よくカメラに収めることが出来ました。
それから当地ハイランドの名産に「ハイランド牛(Highland Cattle)」というのがいて、これもガイドさんが「あそこにいますよ」と教えてくれました。
それからインヴァネスとフォート・ウィリアムはカレドニア運河(Caledonian Canal)で繋がっているのだそうです。ネス湖からインヴァネスまではネス川と平行して走っています。
40分程でバスはネス湖観光の拠点である、インヴァネスに到着し、ここでは45分間の散策時間がありました。川沿いに見えるヨーロッパらしい建物は手前が「聖コルンバ高教会(St. Columba High Church)」、奥にあるのが「自由教会(Free North Church)」でインヴァネス一高い尖塔だそうです。
橋を渡って右折した川沿いに駐車したバスから、ショッピング街であるハイ・ストリート(High Street)に行ってみることにしました。ヨーロッパの街はこうして車が入れないようになっている場所がよくあって、道路の横断を気にする事なく両側の店をチェックすることが出来ます。
ふと立ち寄ったみやげ物店ではスコットランド名物料理「ハギス(haggis)」のキャラクターぬいぐるみを売っていました。「羊の内臓やオート麦、玉葱などを刻んで羊の胃袋に詰めて茹でたもの」と聞くとあまり挑戦意欲が湧かない食べ物です。
特に買いたいものがあった訳ではないので、バスの方に戻りかけましたがまだ少々時間があります。左上の方に見えた「インヴァネス城(Inverness Castle)」の方まで足を延ばすことにしました。写真はハイ・ストリートが始まる角にある市庁舎(Town House)です。

城のある小高い丘に上って行くと対岸に見えたのは、スコットランド国教の「聖アンドリュース大聖堂(St Andrew's Cathedral)」です。

もともと古い要塞のあった場所に1830年に建てられた現在の建物は、裁判所として使われているそうです。手前の像はフローラ・マクドナルドというジャコバイト(名誉革命の反革命勢力)のヒロインだそうです。辛うじて「名誉革命」という単語だけは記憶の片隅に留まっていました。
時間になったのでバスまで戻ることにします。運河のように穏やかに流れるネス川の美しい芝生の土手が羨ましいです。
バス近くにあったのは「ネス川岸教会(Ness Bank Church)」です。すごく狭い地域に随分沢山の教会がありました。
バスはインヴァゴードンを目指します。英国鉄道(British Rail)のインヴァネス駅がちらっと見えました。1990年代に民営化されましたが、駅名の前にある矢印のようなシンボルマークはそのまま残りました。
駅から延びる線路も少し見えました。機関車は少々くたびれている感じです。
バスはA9に乗り、ケソック橋(Kessock Bridge)を渡ってインヴァネスに別れを告げます。左にネス川の河口、右にはビューリー湾(Beauly Firth)が広がっています。
インヴァゴードンの町に入る直前に大きなウィスキーの倉庫(in bondと言っていたので保税倉庫)がありました。看板にはあの「Whyte and Mackay」と書いてありました。

インヴァゴードンの目抜き通り(High St)沿いの建物の壁面には色々な絵が描かれているのをバスがゆっくり走って見せてくれました。

ツアーは13時半頃終了し、本船のいるジェティーに戻って来ました。端っこから本船の姿を撮影すると、画面ギリギリに収まりました。
ギャングウェイの手すりには、ツアーから戻った乗船客がさっきまで付けていたツアー番号のシールを所狭しと貼ってありました。ホーランド・アメリカのほかプリンセスのものが目立ちました。
一旦部屋に戻り、一休みしてからもう一度下船してジョギングがてら港町インヴァゴードンを見て回りたかったのですが、先ほどから猛烈な風が吹いています。
ジェティーから陸に行くだけでも億劫になり、再下船はせずジョギングマシンで走ることにしました。最初は5kmぐらい、と思って走り始めてもつい頑張って5マイル(8km)ぐらいになります。ムキになる必要はないのですが、普段より沢山飲み食いする分の帳尻を早めに合わせたい一心です。
走ってシャワーをするとビールスイッチが入るので、バルコニーで楽しみます。そして缶ビールを1本飲み終えると急に睡魔が襲ってきて、ベッドに突っ伏して1時間近く眠ってしまいました。
ハっと目が覚めると定時17時に出港しようとしている所で、グリーノックと同じくバグパイプ隊が演奏していました。丁度建物の陰に入ってしまい、あまり見えませんでしたが、フネが動き出すと全容が見えました。本船は今回出港の汽笛を鳴らしませんでした。
ディナーは17時半からなので、その後大急ぎで本航海3回目のフォーマルの支度をしました。先ほどうつぶせで寝たため、頬に枕の跡がくっきり残っていたのでポートレート撮影は諦めました。フォーマルの日はうたた寝に要注意です。

Appetizers

  • Carpaccio of Beef Tenderloin
    Razor-thin sliced drizzled with fruitey olive oil, topped with shaved Reggiano-Parmigiano cheese and accompanied with a robust whole grain mustard sauce


  • Jumbo Shrimp Cocktail
    Plump chilled shrimp with a mustard-based curry dip
Soups and Salad

  • Cream of Five Onions Soup
    A delightful combonation pf Spanish, Vidalia, red and and white onion gently simmered with vegetable stock, garnished with sniped scallions


  • Famous Italian Wedding Soup†
    Hearty broth rich with colorful vegetables, tender pasta and tiny meatballs
Antrées

  • Alaskan King Crab Legs
    Steamed in an aromatic fish broth with a delicate vegetable julienne, served with drawn butter and boiled new potatoes


  • Roasted Rack of Veal
    Roasted until tender and encased in a crispy basil coating, accompanied with a rich dorest mushroom sauce, Parisian vegetables and garlic mashed potatoes
Desserts

  • Strawberry Sundae


  • Baklava Sampler
    sweet pastry made of layers of phyllo pastry filled with chopped nuts and sweetened with honey

パンもバターも、もちろん料理とデザートも本船は凝っていて美味しいです。でもタラバ蟹にはやはり酢醤油をつけたくなってしまいます。
ショーは20時から、ブロードウェイミュージカルの夕べでした。
その後、すっかり仲良くなった関西からのご婦人達と3Fの「オーシャン・バー(Ocean Bar)」に行き、ダンスフロアを眺めました。本船は適当なダンスを踊る人がおらず、日本船のように敷居が高いのに改めて驚きました。
そうしているうちに、22時半のデザートの饗宴(Dessert Extravaganza)が始まったので、9Fリド・デッキに行ってみることにしました。

するとプールサイドの周りに所狭しと夢のようなデザートが並べてありました。


眺めて写真撮影をするだけのつもりでしたが、つい、その場でフランベしてくれるクレープとホワイトチョコにディップしたフルーツを食べてしまいました。
食後の長い夜遊びを終えて23時頃部屋に戻ると、何とタオルのネッシーが待っていて嬉しい驚きでした。
バルコニーからは遠くフレイザーバラ(Fraiserburgh)の灯りが見えていました。