パシフィック・ドーン 南太平洋クルーズ乗船記 (2010年2月14日)

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2日目 航海日
船内のウェークアップコールサービスで7時半にセットしたつもりだったのですが、なぜか不発でした。知らずに寝続けていて、気付いたら船内時間は(ブリスベンから+1時間、日本から+2時間)9時近くになっていました。と言っても目覚まし時計が機能しなかったのか、それともまだセットした7時半になっていないのかで混乱し、夫は「時計を早めるのは今晩なんじゃないか」などと言い出す始末です。とりあえず朝食のビュッフェ会場12F「カフェ・デル・ソル」に行くと、まさにピークという感じで長蛇の列でした。
列に並んでいる最中に乗船客の腕時計を盗み見しましたが、船内時間にしていると思われる「9時台」とブリスベンのまま「8時台」とマチマチで、やはりわかりません。ビュッフェのクルーに聞いても良くわかってないようでした。

写真はシリアルの一種「Weet-Bix」。イギリスの「Weetabix」と見間違えましたが別物のようです。

朝食はフル・イングリッシュでシリアル、フルーツ、シリアル、パン類、焼きトマト、ベーコン、ソーセージ、ベイクトビーンズ、卵料理を順番に取って行く方式でした。列に並んで取る方式なので、一回に全部済ませないと再び並ぶことになってしまいます。味はまさしくイギリス的でした。

先ほどから何故こんなに時間を気にしていたのかというと9時から14F「ザ・ドーム」でフォックストロットのボールルームダンス教室があったからです。伝統のP&Oではどのようにダンスを教えるのかとても興味があったのですが、9時かもしれない時間に行ってみたところ、10時からの船内ツアーが出発していきました。
この「ザ・ドーム」は本船のブリッジの上の部分に、イルカの頭のように盛り上がっている部分で外観はかなり特徴的です。本船では唯一この場所からしかこの船首部分の景色を見ることが出来ませんが、写真を撮ったらカーペットの模様が写り込んでしまいました。

エレベーターがある場所には、本船の見取り図が掲示してあるのですが、縦横の違いはあるものの、太平洋フェリー「きそ」の案内板とちょっと似ていると思います。

予定が何もなくなってしまったので、昨晩届けられていた最終下船時の予定質問フォームを書いて、5Fの「パーサーズ・デスク」に届けることにしました。この近くにランドリーもあるので、ついでに見学することにしました。
長い列が出来ていたので、「ちょっとランドリーを見てくる」と言ったつもりでしたが夫には聞こえていなかったらしく、ひとしきり撮影をし終わり満足して戻ると「順番が来そうなのに急にいなくなったから」と列を離脱してムっとしていました。(紙出すだけじゃん)と言うのはぐっと飲み込んで、「出すだけだから横から出来るんじゃない?」とか何とかカウンター前をウロウロしたら、提出用の箱が置いてあるのをみつけたので、提出することが出来ました。列が出来ていたのは本当に用のある人か、通貨の両替(A$からセントラル・パシフィック・フラン)に並んだ人だったのでした。
この間ちょうど吹き抜けの底にあたる5F「ザ・プラザ」では11時から「紙ヒコーキ大会」を開催していて、ちょうと折り終わったヒコーキを階段のところから誰のが一番飛ぶか競っているところでした。紙ヒコーキの折り方からやっていたようなので、日本ほど誰もが作れるものではないようです。
5Fまで下りたついでに2Fの「フィットネス・センター」を見に行くことにしました。最近の客船は見晴らしの良い場所にあることが多いので、窓のないこの場所はちょっと雰囲気が違いました。ここのマシンで走るなら、少々暑くても14F「スポーツ・デッキ」の方がいいと思いますが、何人かが走っていました。

「フィットネス・センター」の隣には「エアロビックス・ルーム」があり、この時間はヨガ教室をやっているようでした。この向かいにはプリンセス・クルーズと同じブランドの「ロータス・スパ」がありました。

「パシフィック・ドーン」には大小合わせて9つのバーとラウンジがありますが、オーソドックスで規模の大きい2つは7Fの中央部から船尾にあるメインダイニング「ザ・パーム・コート」に向かう廊下の途中にあり、1つめが「ザ・ベンガル・バー」です。

2つめが「アダージオ・バー」です。どちらも170年以上の歴史を誇るP&Oの古き良き伝統を引き継いでいる重厚な雰囲気があります。特に「ザ・ベンガル・バー」はスペイン、ポルトガル航路からエジプト、インドと郵船航路を拡大してきた誇りを感じさせるネーミングです。

その後7F後方の「ザ・パーム・コート」の入口に掲示してあるディナーメニューをチェックに行きました。昨日のドレスコードは「スマートカジュアル」でしたが、今日は2回あるうちの1回目の「カクテル」です。ただ船全体のドレスコード遵守状況がどういう感じなのかまだ量りかねています。
と、一回りしているうちに昼になり、普段は走る前は飲まないのですがあまりにオージー達が屈託無く飲んでいるのを見て、水がわりに飲むことにしました。ランチタイムはプールサイドでコロナビールの屋台販売みたいなのが出るのですが、そこで2本買いました。ここで「ライムかレモンどちらを付けますか」と想定外の質問をされた夫がまた絶句してしまいました。つまみはプールサイドからフレンチフライを部屋に持って来て食べました。

酔いが覚めたころ、15時過ぎにジョギングに出かけました。昨日ほどではありませんが、人はわらわらと出ています。邪魔にならないゆっくりとした速度で20周ちょっとしました。6.5周で1マイルなので、約5kmという計算です。ジョガーは反時計周りの外側、歩く人は時計周りの内側というルールが書いてありましたが、ジョガーを含め守る人も守らない人もいました。

シャワーをしてさっぱりした後はお待ちかねのビアタイムです。本船は何となく飲みたい気分が増幅する雰囲気なのは困ったものです。ジョギングの帰りにプールサイドの「リド・カフェ」で調達しました。
部屋に持って行くからそのままでと言ったのですが、女性クルーが「本船のポリシー(方針)ですから」と缶のプルタブも空けてしまいました。VB(Victorian Bitter)2本とコロナを1本をとりあえず冷蔵庫に入れてシャワーの間ぬるくなるのを防ぎます。
それから、スイートにはドレスコード「カクテル」の日にカナッペとスパークリングワインが17時過ぎに届けられるので、ありがたくツマミと足しアルコールにしました。カナッペはサーモンとパテでしたが、南太平洋の洋上で味わうサーモンが思いのほか美味しかったです。
夕食の予約は20時なので、まだ2時間はあります。アルコールが入りすっかりいい気持ちになり夫がまず沈没、私はしばらくソファーで読書をした後、ぼんやりとテレビでブリッジレポートを眺めていました。こちらは風速を時速で表すので、あまりピンと来ません。この日は16ノット(33km)ということは9m/sになります。
時間になったので、7Fメインダイニング「ザ・パームコート」に下りて行くと、写真撮影の列とダイニング入る列でかなり混乱していました。お約束でポートレートを撮影してもらいましたが、「お互いに見つめ合って」という初めてのスタイルは噴飯ものでした。撮影ポーズも大分慣れたつもりでしたが、まだまだ奥が深いです。
今回はカジュアル船ということで、タキシードやドレスを持って来ておらず、日本船のセミ・フォーマルをさらに崩したスマート・カジュアルぐらいの服装(夫は一応タイとジャケット着用)にしましたが、これで丁度良かったと思います。客層が若いせいか男性はジャケットなしがほとんどでした。
今日はバレンタイン・デーなので、ダイニングの入口に白鳥の氷の彫刻があったり、その先のレセプションには沢山の風船で大きなハートが作られていました。
案内された6人用の席には、先客があり地元ブリスベンの40歳と35歳のカップルで、小学生と幼稚園の子供は奥さんの両親に預けて初クルーズとのことでした。私達がはるばる日本からこのクルーズのためにやって来たと言うと目を丸くしていました。
まず、メニューにはのっていない「Prawn Cocktail」を食べました。これは昨晩のディナーの時に、ウェイターに熱心に勧められたため、彼のポイントになるならばと予約しておいたものです。久しぶりに気持ちよくエビを大量に食べました。
entree

  • baby spinach, peacn and blue cheese sarad
    toasted pine nut vinaigrette(v)


  • pacific rim seafood consommé and salmon sashimi
pasta and entree

  • linguini pasta in white clam sauce
    bacon crumbs
    (everyday a la carte)


  • baby spinach, peacn and blue cheese sarad
    toasted pine nut vinaigrette(v)
main and dessert

  • breaded ham and cheese roll
    spicy tomato sauce


  • iced honey cheesecake
    blueberry and lemon zest(v)
なかなか会話は弾んだと思いますが、英語に関しては手加減なしで少々疲れました。先に席を立って出てくると、「Happy Valentine」と書いてあるかわいいケーキが飾ってありました。
部屋に戻る途中の廊下に、このようなバケツが置いてあって水を受けていました。この無造作感はいかにも外国船らしいです。
オーストラリア人は食後にコーヒーを飲まないのか、隣のカップルも飲んでいなかったので、昨晩に続き部屋に戻って「ネスプレッソ」でコーヒーを淹れることにしました。
時刻は22時を過ぎましたが、夫は海外に出たときに必ず何故か日本時間を意識して「今はまだ8時だから寝るには早いな」などと言うのは不思議です。当地にいるのだからさっさと時刻改正したらいいのにと思います。