パシフィック・ドーン 南太平洋クルーズ乗船記 (2010年2月15日)

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3日目 ヌメア/ニュー・カレドニア(ブリスベンから754nm) 入港15時 出港23時
今日は午後にニュー・カレドニアのヌメアに寄港するので、朝一番(と言っても9時ですが)にジョギングを済ませてしまうことにしました。朝から綺麗に晴れています。
朝は身体が動きにくいのですが、14F「サン・デッキ」を必死で20周走りました。「サン・デッキ」の後部ファンネル付近を回る際に、ギャレーの換気扇が近くにあるのか各種料理の混ざった何とも言えない匂いが漂ってきます。これはダグラス・ワードの「クルーズと客船ガイド2008」でも指摘(Galley fumes often waft over the aft open decks.)されていました。
部屋に戻ると、乗船した日の夕刻に出しておいた洗濯物が戻って来ていました。スイートはこのサービスを無料で受けられるので、ありがたく利用しています。通常料金の50%増しのエクスプレスサービス(9時までに出せば当日の18時に戻る)も大丈夫なので、重宝しそうです。
昨晩のカップルは朝食をどこで食べているのかという話題の時、「ビュッフェは・・ねぇ・・」という感じで、雰囲気の良いメインダイニングで食べているそうで、ここのエッグベネディクトは素晴らしいですよ、と教えてくれましたが英語が面倒臭いのでいつも通り12F「カフェ・デル・ソル」に行きました。

ベーシックな部分のメニューは毎日同じようですが、私はプレーンオムレツを作ってもらいました。9時半を過ぎていたので昨日ほどではありませんがやはりまだ混雑していました。見た目はパっとしませんが日替わりのバナナパンケーキが美味でした。

11時頃、プールサイドに出かけました。夫は暑いのは嫌なので日陰に、私は折角寒い冬にはるばる南半球まで来たのだからと太陽の当たる場所で雑誌を読みました。
張り切っていたものの1時間もしたら暑くなってしまったので、プール(大人用)に入り冷却してから部屋に戻りました。
戻ってシャワーをしてさっぱりとしてからバルコニーで読書を再開しましたが、その後間もなく気絶してしまったようです。夫の「パイロット(水先案内人)が乗ったよ」という声で目覚めました。
入港予定の15時まではまだ2時間ちょっとありますが、もうかなり近くまで来ているということでしょうか。パイロット・ボートのマストには「H旗」(パイロット乗船中)のほかに、フランス国旗が翻っていました。
ニューカレドニアは世界のニッケルの約10%を生産していて、日本のニッケル総輸入量の1/4を占めています。一番大きい「グラン・テール島(Grand Terre)」に首都ヌメアがあります(英語ではニューメアと発音していました)。
幅50km、長さ400kmのフラスパンのような形のグラン・テール島の南端にあるヌメアに向け、本船は島を左舷に見ながら航行しています。近づいて来る美しい島を眺めながら、寄港地に近づくワクワク感を部屋にいながらにして味わうことが出来ました。
13時過ぎにヌメアのモーゼル湾に入りました。ほとんど航跡が出ない程ゆっくりと走っているようです。
この湾の左手に「DONIAMBO」というバルクキャリアーが見えました。夫によると日本向けでニッケル鉱石を積んでいるところだろうとのことでした。後日調べると、日正汽船のフネで内海造船の2007年製でした。「DONIAMBO」は接岸している精錬所の名前のようです。
港のクルーズ・ターミナルは立派な建物で、垂れ幕にフランス語で「Bien Venue」英語で「Welcome」の他「ようこそ」と三ヶ国語で書いてありました。年間どの位の日本人が訪れているのかわかりませんが、久々にわが日本のプレゼンスを感じて嬉しくなりました。
着岸プロセス中バルコニーからふとブリッジを見上げると、船長が指揮を執っているのが見えました。岸壁では本船「パシフィック・ドーン」の入港を歓迎する踊りが始まっていました。

メラネシアに属するニュー・カレドニアの踊りとリズムはあまり馴染みがありません。ちなみに国名の「カレドニア」はスコットランドのことですが、島が18世紀のイギリス人探検家ジェームズ・クックによって発見され「山がちなスコットランドに似ている」からと命名されたと言われています。

ところで、本船ではパスポートは特に預かってもらえず、乗船する時にオーストラリアを出国しただけでしたが、昨晩夫宛に「対面の入国審査に選ばれました」と召集令状が届いていました。夫は「日本人だからか」と憤慨していましたが、文面ではランダムに選ばれたようでした。この審査が7Fの「ベンガル・バー」で行われるため、14時45分に出頭したところ、本当にランダムに30人ぐらいが選ばれていたようでした。私も見学に付いて行きましたが、さすがに写真撮影は不可でした。時間になると入国審査官がやってきて、形ばかりのチェックがあったようでした。
この審査が終了しないと他の乗客も下船できないのかと思いきや、こちらの審査が始まる前に「当局のクリアランスが終了したので、下船出来ます」とアナウンスが入りました。

この会場で、初めて自分達以外の東洋人を見かけたので話しかけたところ、その女性は台湾人で現在は家族でオーストラリアに住んでいるとのことでした。
審査終了後、一旦部屋に戻りとりあえずそこらをブラブラするつもりで15時半ころ下船することにしました。
クルーズターミナルの入口近辺では、コロニアル風のコスプレの人が写真撮影に応じていました。外国人もこういうのが好きなのでしょうか。
日本から「ニューカレドニア バヌアツ」というガイドブックを持って来ていたので多少予習はしていましたが、上陸しても特に予定はなかったので、とりあえず観光案内所に行ってみることにしました。そこに行く途中にあった「Hotel de Ville」は市庁舎のことです。南太平洋のこのような所でフランス国旗とEU旗がはためくのは不思議な感じがします。
観光案内所には日本語の無料情報誌があったのでもらって来ました。そしてもともとガイドブックで当たりを付けていたシュッピングセンター「ル・ビラージュ」にある、日本語の通じるみやげ物屋に行ってみることにしました。市民憩いの場「ココティエ広場」を通過しました。
みやげ物屋はこれと言ったものはありませんでしたが、オーストラリアドルしか持っていなかったので、職場用に「New Caledonia」と箱に書いてあるチョコレートを購入して日本円で払い、おつりに当地のセントラル・パシフィック・フランをもらいました。(写真はショッピングセンターにあるレストランの入口)

それから地元の教会に挨拶をしておこうと坂の上にある「セント・ジョセフ大聖堂」に行きました。1894年に完成したカトリックの教会です。奥のシャンデリアは何とニッケル製だそうです。

それから帰船するにはちょっと早かったので、ニュー・カレドニア博物館に行き、流れで見学しても良いかなと思ったところ10分前の16時半に閉館していました。
その隣には郵便局OPT(Office des Postes et Télécommunications de Nouvelle-Calédonie)がありました。フランス語は何だかお洒落に見えてしまうのが不思議です。
船に戻る途中で丁度フネ全体を撮影出来るポイントがあり、年賀状用写真を撮影することにしました。それから折角通貨を持っているので、そのすぐ近くの「Casino」というスーパーマーケットに入ってみることにしました。スーパーはそこの暮らしが垣間見えるので面白いのです。
このスーパーでもどこに何があるかの案内板にフランス語と英語に加えて日本語があるのは誇らしかったのすが、たまに上下反転した日本語が書いてありました。漢字は反転していてもすぐピンときますが、カタカナは意外と難読でした。

牛肉コーナーは迫力の塊売りがあり、Tボーンは1kgが約1,900円でした。パック売りもありましたが、日本ではあまり小売りされていないVEAU(子牛肉)が沢山あるのは流石フランスです。

刺身と寿司もありました。刺身には「白いマグロ」と書いてあり、約500円、パック寿司は900円、35カン入った大皿は1,900円ぐらいです。肉に比べてかなり割高ですが、当地でこのような物を作って売っているのは驚きです。

ツマミ用にポテトチップス(340フラン)と豆のわさび風味(70フラン)を買うことにして、レジに向かうとフランスパンが無造作に置かれていました。「わー、流石フランスの植民地」と思いながら近づくと、一番左の袋のパンが頭から10cmぐらい千切られていたのが笑えました。
クルーズターミナルの中にあったみやげ物店をひやかしてから、17時半頃本船に戻りました。今日は出港が23時と遅いので、最終帰船時間は22時半です。ヌメアでは夕食の開始時刻が遅いので、これなら外で食べても帰って来られる設定です。
食事が美味しいらしいので私達も外ディナーを検討しましたが、みやげ物屋の人に美味しいレストラン情報ほか色々と尋ねたところ「開店時間が遅い」「Tシャツ短パンは不可」と本国なみに敷居が高そうだったので、面倒臭くなりフネで食べることにました。メインダイニングの予約を入れていなかったので、帰船してからメインダイニングのメニューがいまいちであることを確認の上、有料レストラン「シーフード&ステーキハウス」(カバーチャージ25ドル)に19時の予約を入れました。
シャワーをしてさっぱりした後、すぐ上12F「リド・カフェ」でVB3本を求め、バルコニーで岸壁を見ながらビアタイムにしました。
部屋から見たヌメアの町です。太陽が傾いてやっと涼しくなりました。すぐ手前に先ほど行ったスーパーマーケット「Casino」が見えています。最初見た時は本物のカジノかと思ってしまいました。
時間にはまだちょっと早かったのですが、夫が空腹に耐えられなくなったので早目に12F「シーフード&ステーキハウス」に行くことにしました。場所は昼間は「カフェ・デル・ソル」の一部分を仕切ったところにあります。照明が落とされ、テーブルクロスがかけてあるので、ここだけ気取った雰囲気になっています。初日に会ったフィリピン人の陽気なお姉さんが今日はここの係になっていたので、日本語で大いに盛り上がりました。
ENTREES

  • oyster gazpacho
    seasoned with horseradish and chilli oil 'bloody mary style'


  • calamari steaks
    young mesclun greens with aged balsamik vinegar and olive oil
MEAT

  • fillet steak 200g
    150 days grain-fed, certified australian angus


  • wagyu ribeye steak 400g
    350 days grain-fed, marble score 5+
SIDES (vegetable and potatoes)

bok choy、sautéed shallots、sautéed mushrooms、french fries、baked potato

メニューはリブアイ、フィレ、ニューヨークストリップなどオーソドックスな物に加え、海外でも流行り始めた「Wagyu」のバーガー、リブアイ、ショートリブのラインアップがありました。400gの大物を食べ切る自信はありませんでしたが、話のタネにと挑戦することにしました。
DESSERTS

  • trilogy of chocolate mousse
    warm chocolate sauce


  • coconut créme brulee
    sugar glaze

marble scoreというのは霜降り度合いを表しているのですが、「Wagyu」以外が2+なのに対し「Wagyu」は5+と頭一つ出ていました。が、食べた感じは全然「和牛」ではなく、ちょっと柔らかい輸入牛といった感じでした。これはスピードが勝負と一気に食べ、サシが少なかったことも幸いし何とか全部食べられました。

満腹状態のその足でメインダイニングに向かい、翌日のディナーの席を予約しました。
沢山食べた上、ワインを1本空けたのでかなり苦しい状態となり、部屋に戻った途端寝てしまったようです。次に気が付いた時には予定より早く、本船は離岸しているところでした。
真っ暗な中の出港は風情がありますが、この地を離れる寂しさをより強く感じます。波の音を聞きながら遠ざかっていくヌメアの街灯をしばらくぼんやりと眺めていました。