18日目 4月20日(水) ポートルイス 入港6時半 出港18時10分 日出5:26 日没18:04
寄港地情報入国審査言語英語通貨港の位置ツアー発時シャトルバス
船内で対面審査主に仏語ほぼ可モーリシャス・ルピーほぼ中心部8:30〜ル・コダン・ウォーターフロント
航海情報天候気温正午位置風向風速船の揺れジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
晴れ27.5℃18-56S 061-14E東7m/s- ---0km228周104km
船内情報講演等イベントメインショードレスコード食事情報ランチ(F)ランチ(L)ディナー
---カジュアルざる蕎麦洋食和食
トイレで目が覚めるとまだ暗い5時半で、気になって外を見るとすでにモーリシャス島が遠くに見えていました。
長かったまるまる8日間のインド洋横断が終わろうとしています。南にあった大きな高気圧の噴き出しによるうねりの中、島影はもちろん船影ひとつ見えない終日航海はちょっとした経験でした。
最初はタンカーか何かかと思いましたが、左舷にオイルリグが見えました。ものすごく明るい照明に照らされて迫力があります。船長の案内放送によるとパイロットは乗船済みとのことでした。
身支度を整えて、6時過ぎにワッチのためオモテ(艏)の定位置である11Fビスタラウンジの外に出て行くと、左舷着岸するために右回頭を始めていました。

半ズボン姿もお洒落なパイロット(水先案内人)が、かなり細かく船長にエンジン操作の指示を出しているのを興味深く見守りました。手前が浅井船長、奥のスタッフキャプテンは無線でオモテ(艏)やトモ(艉)とやり取りをしています。

ラインズマン(岸壁で本船の係留索を受け取ってビットにかけたりする人)の動きがかなり緩慢で、気だるそうにのろのろと取っていましたが、定刻の7時よりも30分程早く無事着岸しました。
7時10分頃、9Fキャビンに対して対面入国審査の案内があったので、初アフリカに少々緊張して会場であるクラブ2100に行くと、パスポートと顔写真のチェックのみで肩透かしでした。岸壁にはオプショナルツアーの観光バスが勢ぞろいしているのが見えました。
入国審査が終わって、そのまま「リドガーデン」で朝食にしました。ヨーグルトはシンガポールを出てからcp-meiji(明治のタイ現法)製に変わりましたが、ポートルイスでも新しいものを積み込むのでしょうか。
私達が予約したツアーの集合時刻は8時50分なので、ゆっくり朝食を食べてから40分頃集合場所の6F「ギャラクシー・ラウンジ」に行く途中、窓から川崎汽船のPCC(自動車運搬船)が入港して来るのが見えました。
船名は「BALTIC HIGHWAY」で、2001年の今治造船出来でした。パナマ船籍とは言え、日本の会社がオペレーションするフネと遠く異国の地で会えるのは嬉しいものです。目の前で悠然と左回頭を始めましたが、集合時刻が迫って来たのでワッチは早々に切り上げました。
参加するツアーは「キュールピップ半日観光(USD76)」です。もう1つの「ポートルイス半日観光(USD80)」はパンプルムース植物園でオオオニバスを見るのが売りだったようですが、オオオニバスの原産地はアマゾンだしなぁと思い、こちらを選択しました。

現地通貨のモーリシャスルピーは本船で3,000円分(900MUR)のパック販売で調達しました。
9時頃下船して、ツアー用の小型バスに乗車しました。本降りではありませんが雨が降ったり止んだりしているのが心配です。バスはまず「トゥル・オ・セルフ(Trou aux Cerfs)」を目指しました。まだ通勤時間帯なのか車が多く、右ハンドルの左側通行で、道路標識もイギリス風なので親近感が湧きました。ガイドはインド系女性のサンディア、ドライバーはエマニュエルだそうです。
このツアーは英語のみで日本語訳は付かない由注意書きがありましたが、ガイドが英語しか喋らないのは至れり尽くせりの飛鳥Uの旅の中、急に突き放された感じです。一応観光ポイントの日本語の説明文は配布されますが、リアルタイムでないと読んでもなかなか頭に入りません。いくらガイドが説明しても車内が無反応なのは仕方がなく、ガイドが気の毒になって夫が拙い英語で後部座席から質問したりしていました。

道中左側には地元のビール「Phoenix(フェニックス)」の醸造所が。また、ここモーリシャスの特産品である帆船の模型が店先に出ているのが見えました 。

バスは50分程走って小雨の「トゥル・オ・セルフ」に到着しました。島内でも有数の観光地なのか、他のバスもどんどん到着しています。右はいすず、真ん中は日野、左奥が日産ディーゼルと日本のバスが頑張っていました。
ここは小高い丘になっていて、360度のパノラマでモーリシャス島を見渡せるそうですが、この日はいまいちでした。たまたま大量のインド人観光客が到着して「ここはインドか」状態になりました。人口の半分以上がインド系らしく、植民地時代にクーリーとして連れて来られたそうです。

そしてここの目玉、2万年前の火口跡は何だか遠くの下の方に池のようにありました。他の人に教えてもらわなければ見落とすところでした。

絶滅したドードー鳥はモーリシャスの国鳥であることもあり、みやげ物のモチーフとなっています。ここの露天みやげ物屋は現地通貨のほか、米ドルでも買えるようでした。(参考画像:不思議の国のアリスに登場したドードー鳥)

ここからキュールピップ(Curepipe)の町はそこからほんの10分弱で、トイレ休憩がありました。そこにあったみやげ物屋でTシャツ購入することにしました。
やはりドードー鳥がいいと探したところ、この柄は子供用にしかありません。悩んだ末に14歳用を選びました。400ルピー(約1,350円)だったのが、500ルピー札を出してお釣りをもらうと思ったところ店に在庫がなかったらしく、持っていたその他紙幣375ルピー(約1,250円)にオマケしてもらえたのはラッキーでした。この他に、硬貨で絵葉書とドードー鳥マグネットを購入しました。この後バスが町の中心部に行き、10分程下車時間がありました。イギリスのコロニアル風と言われる雰囲気を少しだけ味わいました。

Hôtel de Villeは市庁舎のことカーネギー図書館聖テレーズ教会
この後バスは元来た道をポートルイス市街まで引き返し、その先にあるアデレード砦に行きました。イギリスが1840年に完成させたものです。

ここの売りはポートルイスを一望出来ることです。砦は港に向かって睨みを利かせる必要がある訳ですから当然と言えば当然です。階段を上って城壁の上を歩いていくと遠くに「飛鳥U」も見えました。

元来た道を引き返し、今度は反対側の方を見に行ってみました。砦の中の広場の部分ではイベント用ステージの設営が行われていました。
こちらからは1812年に創設された「シャン・ド・マルス競馬場(Champs de Mars)」が見えました。南半球では二番目に古い競馬場だそうです。
砦には大砲がつきものです。あちこちにこの様な大砲が置いてありました。これは発射の反動を受けるため、本体が後ろにせり上がったレールに搭載してありました。
ツアーは予定より気持ち早く12時20分頃に船に戻りました。ドライバーに最後「メルシー」と挨拶しましたが、モーリシャス・クレオール語(公用語の一つ)でも「メルシー」で合っていたでしょうか。
12時半頃、ランチは「リド・ガーデン」の洋食ビュッフェに行きました。イベリコ豚のローストがかなりの美味しさでした。
昼休み中だった「ル・コダン・ウォーターフロント(Le Caudan Waterfront)」行きのシャトルバスが13時15分に再開したので、とりあえずまたフネを離れました。観光客向けのこのエリアは後で見るとして、寄港地では出来る限り行くことにしている中央市場(Marché Central)を目指しました。15分ほどで市場エリアに到着し、適当に歩いて周囲の店をチェックします。スリが多そうなので気を引き締めています。

晴れてきたのですぐしなびそうですカレーと一緒に食べるのか米が数種類鮮やかなピンクのドラゴンフルーツ

これらのフルーツは3個で80円ぐらいですが、ドラゴンフルーツはケタ違いのようで、600円もしています。米は種類によって1kgが80円〜120円ぐらいでした。
こういう市場お約束のパチもん商品、何とドラエモン柄の「Calvin Klein」です。値札がなかったので交渉が面倒そうと買いませんでした。
この辺りは物を売りたい人と興味のない人の攻防があります。インド系で「アオモリ、センダイ、トウキョウ、カゴシマに行った」と話しかけてきたオジサンがいたので、つい「フィッシャーマン(漁師)?」と返してしまうと「ちょっとだけでも店を覗いてみて下さい。紅茶が人気で」。「Some Other Time(また今度ね)」と一回振り切ったところ、数分後にまた再会してしまいました。この時もしつこかったですが、何とか振り切りました。
40分程うろうろしてウォーターフロントに戻る際、地元のスーパーに入ろうとすると夫が「何するつもりなの」。地元ならではの物を調達しようと思ったのですが、現金は残り少ないためカードで決済することになります。これに夫が拒絶反応を起こしました。ビールやツマミを買おうと思ったのに大変残念でした。

夫は以前シンガポールでスキミング被害に遭っているのでやたらと慎重です。別に保険でカバーされるし、スーパーなら大丈夫だと思ったのですが。
帆船の模型店もちょっと覗いてみました。船旅ならラクに日本に持って帰ることができますが、自宅に戻った瞬間置く場所に困ってしまいます。値段は思ったよりも安くありませんでした。
ウォーターフロントでは最後のルピーを使おうと、ドードー鳥付きとイルカ付きのボールペン2本を買うと、残りが26.90ルピー(約90円)になりました。この位は残ってもいい金額ですが、どうしても50ルピーのラミネートコートしたカクテル(パンチ) のレシピが欲しくなりました。
そこで、持っていた1アメリカドルをプラスして買えないか交渉することにしました。しかも、ドルは5ドル札しか持っていないので、4ドルお釣りがあるかどうかも確認し、無事購入出来たのは我ながら無駄な労力でした。でも「今しか手に入る機会はない」という一念は正しいことが多いと思います。

【画像はクリックで拡大】
飛鳥Uに戻るシャトルバスの発着所には「飛鳥デスク」と呼ばれる案内所が出来ています。ここには本船のスタッフと、旅行会社の係員が待機していて色々質問に答えてくれるのですが、ここで先ほど買い損ねたビールはこのウォーターフロントでも売っているか聞いてみることにしました。
レストランで飲めるだろうけど、販売はしていないでしょうとのこと。向こうのリカーショップにもしかしたらあるかも、と言われましたが見に行くとハードリカーしか売っていませんでした。「やっぱり売ってませんでした」とリカーショップを教えてくれた女性に報告し、何となく去りがたくしばらくその女性と話し込み、結局15時半のバスでフネに戻りました。

現地でツアーのアレンジをしていた女性のブログ「モーリシャス便り」
「祝 飛鳥U 初寄港(2011/5/30)」
最終帰船が16時なので夫にしては画期的な遅さでした。なお、このウォーターフロントには「ブルーペニー博物館」があり、1847年にモーリシャスで発行された1ペニー切手と2ペンス切手を見られるそうです。入場料225ルピー(800円弱)を払う程興味がないので行きませんでした。
「一期一会(2011年4月21日)」
船では甲板部のクルーが、接岸している右舷のペンキ塗り作業をやっていました。ちょっとカッコつけて「She looks beautiful.(綺麗になりましたね)」と言ってみました。本船との写真を撮影したりして、部屋には16時10分前に戻りました。
歩き疲れたので本日の運動は水泳にしました。先ほどの市場の喧騒から一転、快適な船上の時間が流れ出します。
シャワーでさっぱりした後はお待ちかねのビアタイム@バルコニーです。地元のビールを調達出来なかったのは残念ですが、ポートルイス港でアサヒスーパードライを飲むのも贅沢と言えば贅沢です。
それにしても携帯の調子が悪く、アンテナは立っているのに一切接続出来ませんでした。色々な場所でツイートしたかったのに残念です。夫の方はちゃんと繋がっていたのでこの時間帯に借りてツイートしました。
今日の出港は恒例の「ボン・ヴォヤージ」がありません。その分部屋でゆっくりしていましたが、出港20分前にバルコニーからブリッジを見上げた船長とスタッフキャプテンがこんな感じでした。
そろそろ出港時刻ですが、5分前になってもラインズマンが来ていません。これじゃあ舫いを解けないよ、と思っていると丁度18時に小さいボートで連れ立って桟橋にやって来ました。
このあと7デッキまで下りて出港プロセスを見守りました。ラインズマン達は午前中と同様急ぐ様子もなく、のろのろとホーサー(係船索)を外していきました。ようやく出港です。
本船が着岸していた岸壁がどんどん離れていきます。さっきまであそこにいたのになぁ、とちょっと寂しい瞬間です。
右舷後方ではタグボート「DA PATTEN」が本船のことを頑張って引いています。
15分程ですっかり暗くなりました。右奥の方がコダン・ウォーターフロントの方向です。
十分に離岸したあと本船は港外を、その先の次港ケープタウンを目指します。どんどん暮れてゆくモーリシャス共和国の首都ポートルイス(現地ではポートルウィーと言っていた)に別れを告げました。
1回目の食事は出港前の17時15分に始まっているのですが、我々の2回目は19時45分まで、まだあと1時間以上待たなければなりません。昼が軽かったのでかなりお腹が空きました。
先附
雪花菜 煮鮑 枝豆

サラダ物
紅芯大根と蒸し鶏のサラダ 黒ゴマソース パール麺
焼物
小松菜とベーコンの炒め物 ベーコン 筍 カシューナッツ
酢の物
小鯛 水蛸 盛り合わせ 胡瓜 花蓮根
合肴
牛フィレの朴葉焼き
汁物
鰯つみれ汁 大根 露生姜

白御飯又は玄米御飯
玄米御飯を食べましたが、ウェイターに頼むとき覚えたタガログ語のごはん「ガニン」を使って「ゲンマイガニン」と言ってウケを取りました。

香の物
氷菓
蕎麦の実アイス

今日の料理は和食の家庭風な感じでした。炒め物もサラダもちょっと量が少なく感じました。
夜は洗濯機をかけている最中、部屋で前の日のダンス教室でプッツンした「キューバン・ルンバ」を復習してみました。
フネはフランス領レユニオン島に近づいているようです。久しぶりの上陸かつ初アフリカということで、今日はとても刺激のあった一日でした。