25日目 4月27日(水) ケープタウン 入港--時 出港14時10分 日出7:17 日没18:09
寄港地情報入国審査言語英語通貨港の位置ツアー発時シャトルバス
-英語ほか通じるランドほぼ中心部7:50〜V&Aウォーターフロント
航海情報天候気温正午位置風向風速船の揺れジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
晴れ13.2℃33-55S 018-26E北西4m/s- -6km-6km274周135km
船内情報講演等イベントメインショードレスコード食事情報ランチ(F)ランチ(L)ディナー
-ボン・ヴォヤージアスカオーケストラ・バンドショーカジュアルサラダ風茶蕎麦洋食和食
あまりゆっくり寝る訳にいかなかったので、8時半に起床すると素晴らしい晴天です。テーブルマウンテンの展望台を訪れる「ケープタウン半日観光」や「カーステンボッシュとケープタウン」等のツアーが組まれていましたが、今日はゆっくりしようと思っています。
あまりに綺麗なので12Fのデッキまで見に行きました。テーブルマウンテンの右側にはライオンズヘッドとシグナルヒルも良く見えています。
ふとメインマストを見上げると、P旗が出ています。これの意味するところは「About to Sail」「本日出港するので全員時間までに帰船すべし」なので、ケープタウンとはお別れなんだなと寂しい気分になります。

そのまま11F「リドガーデン」で食事にしました。最近ツイストバターロールにハマっています。そしてドーナツも欠かせません。一方夫は野菜重視のようです。

船が用意しているウォーターフロントへの連絡バスは9時と10時半の2本、帰りは12時1本だけだったので、9時では夫が「長過ぎる」と言うだろうと思い10時半ので行くことにしています。1時間以上時間があったので、航海日と同じようにパームコートで新聞を読みました。
時間になったので下船し、不便な場所にある本船が停泊している岸壁から、V&Aウォーターフロントへは約10分の道のりです。
飛鳥Uの船上からも見えましたが、港の一番南東側に日本の漁船らしきものが着岸していました。果たして近寄ると日章旗が見えました。
漁船を通り越すと今度はコンテナヤードがあります。日本でも見かけるマースク(MAERSK)のコンテナの上に商船三井(MOL)のリーファーコンテナが。これもはるばる日本からやって来たと思うと感慨深いです。
本船からバスで10分程のV&A(Victoria and Alfred)ウォーターフロントは港湾地域の再開発によって誕生した商業施設で、名前はイギリスのビクトリア女王とその次男アルフレッドから来ています。アルフレッドは海軍の少尉候補生だった1860年に港湾の防波堤の構築に着手したそうです。
当時から残る歴史的建造物が多く、赤い時計台は1882年に完成した港湾長の事務所だったそうです。

西洋人の観光客が多く、小洒落たカフェやバーが立ち並んでいました。PAULANER BRÄUHAUSまであるとは…、これは本場ミュンヘンのビールで、日本に直営店はありません。

特に買いたい物はなく、欲しいものはビアタイムのツマミ類ぐらいだったので、スーパーを目指して端の方に行くと観光ツアーのブースがありました。「Shark Cage Diving」とはあの檻に入って潜りサメを見るヤツのことなのでしょうか、かなりの勇気が入りそうです。
観光客向けに色々な物は売っていますが、南アフリカに来たというよりはヨーロッパのような雰囲気だったので、折角来たから買わなくては、のような購買意欲は湧きませんでした。
見取り図を見てもよくわからず、やっとみつけたPnP(Pick 'n Pay)は地元ではポピュラーなスーパーのようです。寿司コーナーがあって「サーモン巻き」はZAR15(約250円)、「アボカドとマグロ巻き」や「カリフォルニア巻き」「アラスカ巻き」が約ZAR20(約330円)で売られていました。
そしてチョコレート売り場にはCadbury Dairy Milk(キャドバリーのチョコレート)が、色々なフレーバーを揃えてものすごい面積を占めています。そうそう、英連邦諸国は板チョコと言えばキャドバリーがメジャーです。勝手に三大板チョコ文化圏として「キャドバリー文化圏」「ハーシー文化圏(主にアメリカ)」「ミルカ文化圏(中央ヨーロッパ)」と名付けて喜んでいます。
結局ここでは板チョコ2枚ほか、スープの素(マッシュルームやオックステイルはあまり日本にはないので)、ツマミのポテトチップスとワインを1本購入しました。ビールはライセンスの関係なのでしょうか、このスーパーでは売っていませんでした。
飛鳥Uまでのバス乗り場に戻る途中、ロベン島(Robben Island)に行くフェリーの発着場を見てみました。ロベン島にあった刑務所には、黒人開放運動等により国家反逆罪で終身刑となり、その後大統領となったネルソン・マンデラが収監されていたことから、彼に関する常設展示やみやげ物を売っていました。
バス乗り場の近くのみやげ物屋も覗きました。アフリカの物は原色が多く使われていてとても華やかです。でも家で使う予定もないので見ているだけにしました。
12時10分ぐらい前にバスがやって来たので、フネに戻ることにします。滞在時間は1時間ちょっとしかなかったので色々見て回るには短かかったですが、これ以上長い時間夫に付き合ってもらうのは無理だったでしょう。
岸壁に着くと、すぐにはフネに戻らずちょっと離れた所から飛鳥Uを撮影しに行きました。残念ながらテントや倉庫で後ろの方が隠れてしまいました。
昨日も思いましたが、ここケープタウンを再び訪れる確率は極めて低いでしょう。そういう意味ではとても名残惜しくフネに戻りました。それからケープタウンでは出港の対面審査も行われる予定でしたが、フネに戻る直前に「中止になった」と案内がありました。

一旦本船に戻ると日本が待っています。昼食はメインダイニングに行き、「サラダ風茶蕎麦 海老、錦糸玉子、レタス、人参、蒸し鶏、若布、胡瓜」「烏賊鉄砲焼き」を食べました。テーブルマウンテンの絶景ポイントでの純和食は最高です。

部屋に戻ってしばし寛いでいると目の前を「MSC BILBAO」がディーゼルエンジンの音を唸らせて通り過ぎて行きました。夫が「いち、にい、さん…」と積んでいるコンテナの縦横を数えています。横は17、縦にはハウス前に10、ハウス後に5も積んでいます。6,000個ぐらいかなぁと推定したところ、後日調べたら全長335mで7,928個積みでした。
そのまま何となく外を見ていると、日本では見かけないエギゾチックな鳥が二羽歩いていました。

岸壁のセキリュティー詰所の脇には犬小屋があって、ジャーマン・シェパードが平和な雰囲気です。小屋の張り紙には「BEWARE / I AM ON GUARD / ENTER AT YOUR OWN RISK」(猛犬注意/警戒中/入って(何が起こっても)も責任取りません)。

恒例のボン・ヴォヤージは13時45分からでした。ケープタウンから乗船したアフリカンドラムとダンスのエンターテイナー、アフリカン・ディグゥのメンバーが加わり、ナマナのバンドで盛り上がります。
残念ながら私はあまり調子が良くなかったので今回は踊りの輪には加わらず、上から眺めるだけにしました。
14時10分頃本船は静かに離岸し、十分に離れたあと船尾を右に回すようにして回頭しました。
この回頭中、停泊中の本船の鼻先に停泊していたフネが良く見えました。「Peace in Africa」という名前で船籍港はケープタウン、脇に「De Beers」「A Diamond is forever」と書いてあります。30年以上前から「婚約指輪は給料の3か月分」というコピーを展開しているデビアスのフネのようです。変わった造りをしているので海底のダイアモンドでも掘るのでしょうか。
回頭を終えた本船は防波堤を交わします。テーブルマウンテンが後方になりました。このように頂上に雲がある状態を「テーブルクロス」と言うそうです。
14時半過ぎにヘリコプターによる写真撮影がありました。カレンダーにしたり写真集に載せるのだと思いますが、写真家の中村庸夫が空撮をするのです。
ヘリが近寄って来る度に皆で手を振りますが、どの位の望遠で撮影しているのかわかりません。テーブルマウンテンが綺麗に見えていたので、本船も美しく撮影出来たことでしょう。
写真撮影が終わり、本船は行き足を速めました。ケープタウンが少しずつ遠ざかっていきます。昨日は曇っていて全貌がわかりませんでしたが、くっきりと見えているテーブルマウンテン、シグナルヒル、ライオンズヘッドに別れを告げました。
14時50分頃から、マンデラ元大統領が投獄されていた刑務所のあるロベン島を右に見て回ったのですが、反対側に一瞬ですが虹がかりました。

15時頃「本船の右舷にアザラシの群れがご覧になれます」と案内があり、ロベン島を見たまま右舷にいたので目にすることが出来ました。イルカはある程度速力がありますが、アザラシは遅いので見えたと思っでもあっと言う間にぷかぷかと後方に流れていってしまいました。案内放送があった時に反対舷にいたのでは間に合わないと思いました。
アザラシが流れていった方に目をやると、今度はこちら側に虹が少し見えていました。
右舷後方には昨日通ったセブン・シスターズが見えています。外海に出てうねりが大きくなってきました。
出港して約1時間、写真撮影やロベン島、アザラシ出現など見所の多かった出港ワッチはこの辺で開く(終わる)ことにします。その足でパームコートに行っておやつを食べることにしました。
今日は出港時刻が早かったので16時からいつも通り社交ダンス教室がありました。キューバン・ルンバの5回目でしたが、前回までの復習で新しいステップはなかったため夫は余裕でした。
いつもだとダンスの後に7Fのデッキを走るのですが、若干うねっていたので13F「スポーツジム」でマシンを使って軽めに6kmほど走りました。このあと清掃のため19時に一旦閉まる大浴場に行くのがお決まりのパターンです。
本日の夕食は和食です。今日は禁酒だという夫の決意は固く「お飲み物は何にいたしますか」「水をください」と言うので私はウーロン茶を飲むことにしました。

<前菜>
鰹の炙り焼き ラビゴットソース
<焼物>
黒むつホイル焼き
法蓮草、筍、玉葱、椎茸

<蒸し物>
蓮根豆腐の茶碗蒸し
蟹甲あん、枝豆
<揚物>
白身魚とじゃが芋の天麩羅
ピーマン、ベビーコーン、カレー塩、抹茶塩、レモン
<汁物>白菜の豆乳スープ仕立て

白御飯

香の物
<デザート>マンゴープリン
パッションフルーツ風味
食事のあと、何となく11Fの和室「遊仙」に行ってみました。誰もいなかったので、久しぶりに畳に寝転りました(家に畳はないですが)。二日連続で陸にいたのですることが多く、何だかちょっと疲れました。
夜は持参したDVDを鑑賞しました。日本にいるとなかなかじっくり見る時間がないので貴重な時間です。1980年にテレビで放映されたアメリカの科学番組「COSMOS」を見ながら、大学では天文学を学びたいなどと思った当時を思い出しました。
ケープタウンを出港し本格的に大西洋に入ったので、GPS地図には南米が大きく出るようになりました。今晩は2時に時刻改正があって時計を1時間遅らせるので、明日から日本との時差は8時間になります。