54日目 5月26日(木) ガイランゲルフィヨルド・クルーズ 日出4:16 日没23:08
航海情報天候気温正午位置風向風速船の揺れジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
曇り11℃62-07N 007-11E北東1m/sフィヨルド内なし 12周--5km469周286km
船内情報講演等イベントメインショードレスコード食事情報ランチ(6F)ランチ(11F)ディナー
--松田幸一ハーモニカ・ア・ラ・モード第一夜カジュアルちから蕎麦洋食和食
またも夫が先に起床し、定位置の12F「ビスタ・ラウンジ」の前の部分に出かけていきました。私は8時半頃目を覚ましましたが、昨日のフロイエン山ジョギングの疲れかまだ猛烈に眠たいです。
とりあえず立ち上がってバルコニーに出てチェックすると、既にフィヨルドの中に入っているような雰囲気です。残念ながらどんよりと曇っておりいまいちのコンディションで、この感じはアラスカクルーズの時と良く似ています。
ダラダラと身支度を整えつつ、バルコニーからの景色も楽しみます。小さな客船が先行しているのがわかりました。船尾部分がちょっと変わった形状をしています。
9時過ぎに12F「リド・カフェ」に出向きました。和食の出る6F「フォー・シーズンズ」は9時に終わってしまうので、起床時間的に洋食が多くなります。部屋の近くの階段を上り、プールサイド脇を抜けるのが定番ルートですが、今日は雪を被った山が見えていました。

昨晩チャンポンで飲みすぎたせいか、いまひとつ調子が出なかったためヨーグルトと菓子パン系にしました。

「飛鳥U」は現在ノルウェーで5番目に長いストールフィヨルド(Storfjorden、110km)を航行していて、右に左に舵を切っています。パイロットが乗船しているとは言えかなり操船に気を遣っているだろうと思います。
ところどころに滝も見られます。本船ぐらいの客船が余裕で入れる深さの狭い海からいきなり崖が切り立っているのがフィヨルドの特徴です。
10時ちょっと前頃、前を行く客船が左に舵を切りフィヨルドの支流に入っていきました。私達も1F「ビスタ・ラウンジ」に移動し、本格的なワッチ体制に入りました。
10時過ぎに本船も同じ支流に入りました。ここからが世界遺産のガイランゲルフィヨルド(Geirangerfjorden)になり、大きく左にカーブしていきます。
客船のいいところは世界遺産に居ながらにして、気楽に美味しいエスプレッソを頼めることです。
10時20分頃、「花嫁のヴェール(Bridal Veil)」と名付けられた滝を左に見ました。この日は水量が少ないようでした
フィヨルドを挟んで両側に滝が見えて来ました。左側が「セブン・シスターズ(Seven Sisters)」、右側が「求婚者の滝(Suitor)」と呼ばれています。
10時40分頃「セブン・シスターズ」を横に見ました。この世界一周クルーズでセブン・シスターズを見るのはケープタウンの岩山に次いで二度目です。

エンターテインメント・クルーがバイキングの格好をして、「フィヨルド航行中」の横断幕を持って練り歩いています。本船も数分間ここで行き足を止め、この時間帯が撮影のピークといった感じでした。

日本人のクルーもフィリピン人のクルーも、オモテのクルーエリアでこの絶景を楽しんでいるようでした。
「セブン・シスターズ」を後にします。こちらも水量が少ないようで、6人しか姿を現していなかったような気がします。

この後フィヨルドは右に曲がります。11時ちょっと前また別の滝が見えていたので後日調べたところブリンゲ滝(Bringefossen)でした。

11時5分過ぎにガイランゲルフィヨルドの最深部、ガイランゲルの町が見えました。先行していた客船は回頭している最中のようです。そして小さいフネが手前に向かって来ています。

Fjord1のフェリー「BOLSØY」でした。ガイランゲルとヘレシルト(Hellesylt)を1時間程で結ぶ定期便ですが、ガイランゲルフィヨルドをばっちりカバーすることから観光船のような雰囲気でした。
今度は回頭を終えた客船の方が引き返して来ました。
船名は「ATHENA」で、美しいシアラインが本船がかつてはオーシャンライナーだったことを偲ばせます。11時15分頃行き交って乗客同士は手を振り合い、フネは汽笛を交換しました。
トモにスタビラーザーのようなものが付いている印象的な後姿の本船は、1948年就航の超ベテランでした。

「現存最古クルーズ船(2011年6月8日)」
「ATHENA」は復路は左に曲がるフィヨルドをゆっくり進み、やがて姿を消しました。
11時半頃、フィヨルドの最深部に到達し、ここで行き足を止めました。太陽が出ていないのでコントラストはいまいちですが、山々は美しく海面に写り込んでいます。
フネはゆっくりと左回頭をし始めました。
回頭中、地元の観光船「GEIRANGERFJORD」が鼻先をすり抜けていきました。こちらから「ヤッホー」と声をかけた人がいました。
20分弱で回頭を終え、フィヨルドの最深部はトモからしか見えなくなりました。そして「飛鳥U」はゆっくりと進み始めました。
写真家の中村庸夫氏は先ほどまではガイランゲルの崖の上で本船を見下ろして撮影していたそうですが、ボートに乗り換えて今度は水面から見上げて撮影するそうです。

正午を過ぎたので、このまま「リド・カフェ」で昼食にしました。キャベツのパスタはその場でソースとからめてもらう方式でした。あまり動いていないのでそれ程空腹ではありません。

12時15分頃、ブリンゲ滝を右舷後方に見ました。寒いので外で食べている人はあまりいなかったのですが、やはりここは臨場感優先でしょう。
それ程空腹でなくても、やはりシメに甘い物は欲しくなります。エスプレッソを持って来てもらいました。

12時半頃、右舷に「セブン・シスターズ」、左舷に「求婚者の滝」を見ました。

3つの滝を同時に見つつ、ガイランゲルフィヨルドのハイライト区間を後にしました。
12時40分頃回頭中にすり抜けて行った観光船「GEIRANGER FJORD」が戻って来ました。ガイランゲル発着の1時間半ぐらいのクルーズのようです。
食事を挟みましたがそろそろワッチ体制を開くことにします。メインマストをチェックすると「パイロット乗船中」のH旗が掲揚されていました。
「求婚者の滝」ももうすぐ見えなくなります。フィヨルドの向かいにいる7姉妹に求婚したという言い伝えがあるそうです。
12時55分頃、ヘレシルトから戻ってきた「BOLSØY」と行き交いましたが本船の右舷側を通っていました。水深の関係なのか、フネの世界は右側通行なので通常は左に見える筈です。
13時頃、ようやく12F「パームコート」にたどり着き、毎日新聞と読売新聞の衛星版を読み始めました。朝食後の時間帯は順番待ちになるのですが、この時間は大丈夫でした。

と、夫が客船がやって来るのに気付きました。フッティルーテン(Hurtigruten)だったので窓のない所で撮影したかったのですが、この距離では外に出ている間に行ってしまうかもしれません。やむなくその場で撮影することにしたフネは「NORD NORGE(北ノルウェー)」。

昨晩本船と同じ頃にベルゲンを出港した北航定期便ですが、夏季シーズンはこうしてガイランゲルフィヨルドの中に入るサービスがあります。数年前、これでオーロラを見に行きたいと夫に提案したことがあるのですが「面倒くさい」と言われその休暇は結局メキシカン・リビエラクルーズ(2009年3月)になりました。
14時過ぎにジョギングを始めました。フネはまだフィヨルド内だったので右に左に絶景を眺めながらと贅沢です。
かなりゆっくり撮影までしながら5kmほど走り、15時になる前にジョギングを終了しました。
フィヨルド航行中は7Fのデッキや12Fのスカイデッキでホットワインが振舞われています。運動が終わりアルコールが解禁となったので、1杯飲むことにしました。
つくづく客船によるクルーズは贅沢な旅だと思います。クッキーも1つ摘みました。
15時半頃大浴場に行きました。この時間帯に行く事は滅多にないのですが予想に反してほとんど人がいませんでした。

戻ってモニターをつけると次港が今回のクルーズ最北端のホニングスボーグになっていて、また北極圏に入るため明日の日没はないと表示されていました。
16時15分頃、ビアタイムでバルコニーにいた所ゴデヤ島(Godøya)が見えていました。航路図を見ると1マイルも離れていませんでした。
そのちょっと後にすっきりとした橋が見えました。調べたらイスケ橋(Giskebrua)で、この時右舷に見えていたであろうオーレスン(Ålesund)から島伝いに作られている道路の一部です。
16時半過ぎ、ヴァルデレヤ島(Valderøya)の横を通りました。
今日は終日航海の絶景クルーズを楽しむためアクティビティーがなかったため、早めにジョギングが済んでしまい、夕刻以降時間が余ってしまいました。夕食のメニューをチェックしましたがあまり魅力的ではなく、しかも定時の19時45分まで待てそうもなかったため、今日は11F「リド・グリル」で済ますことにしました。

写真は18時過ぎに見えた島(Fjortoft)
19時頃、ショーはスキップして11Fに上がってまずはビール、と「各国の瓶ビール各種」からセネガルの「flag」をセレクトしました。2日前にここでドイツソーセージ・フェアがあった時、650ml入りでも他の小瓶と同じ400円なのがわかりお得感で選びました。
サラダとスープはほぼ毎回注文しています。他は日替わりで今日は「黒毛和牛バーガー」「お好み焼き」「焼きそば」というラインナップでした。
デザートはアイスクリームにしました。バニラ、チョコなどの定番のほか沖縄のブルーシールというメーカーのカップアイスを常時何種類か食べることが出来ます。沖縄らしく紅いも味にしてみました。
食事が終わってあまりすぐ帰っても、ベッドメーキングがなされていないことがあるので客室担当のハイディを急かせても悪いと思い、その足で6Fの写真コーナーに下りました。ベルゲンやフィヨルド航行中の写真を数点購入したのですが、毎度長考するため夫は待つのが苦痛のようです。
20時頃、まだ明るい船内を今度は図書室に移動しました。ストックホルムで日本の雑誌を数種類積み込んでいたので、2冊程読んでいる途中で夫は先に部屋に戻りました。
21時半頃戻ると夫はすでに寝ていました。ホニングスボーグまでは意外と遠く、明日、明後日とまる2日間走り続ける予定です。
フネはそれなりに波を切っていますがこのクルーズも航程を半分過ぎ、この揺れがすっかり生活の一部になりました。乗船記作成用の記録を書き、まだ明るい23時頃就寝しました。