にっぽん丸 新春の瀬戸内海・宮崎クルーズ乗船記 (2011年1月11日)

<1日目> <2日目> <3日目> <4日目>

1日目 神戸 入港14時
7時前に目を覚まして外を見ると、見事な朝焼けです。絶好の瀬戸内海航海日和になりそうです。

7時15分過ぎに、四国の山の上から日が登りました。洋上で山から昇る日の出を見るのは2009年7月の日本海上以来です。

それから10分ぐらい走ると、香川県丸亀地区の造船所が見えてきました。朝もやの中、林立するクレーンが浮かび上がっています。左端に見えている山は想像通り「○○富士」の別称を持つ飯野山でした。小さい山なので「丸亀富士」かと思ったら、堂々の「讃岐富士」でした。
前方に瀬戸大橋が見えて来たので、7F「ビスタラウンジ」に場所を移すことにしました。今回の改装で出来た「ビスタラウンジ」に続く廊下の丸窓から、昇りゆく朝日と「讃岐富士」が見えています。
瀬戸大橋まではまだちょっと距離があるので、とりあえず室内で待機することにし、カプチーノを注文しました。
8時10分くらい前からスタンバイを始めました。右側四国側の吊り橋が南備讃瀬戸大橋、左側が北備讃瀬戸大橋で、本船は右側を通ります。「瀬戸大橋」というと一本の大きな橋のように感じますが、実際は本州側から「下津井瀬戸大橋」「櫃石島(ひついしじま)橋」「岩黒島橋」「予島橋」「北備讃瀬戸大橋」「南備讃瀬戸大橋」で成り立っています。

こちら側から見たイメージ図をEXCELの図形描画とペイントで作ってみました。
与島橋(トラス橋)北備讃瀬戸大橋南備讃瀬戸大橋
立派な橋をこれだけまとめて一度に見られる場所はあまりありません。もうちょっとコントラストのきつい時間帯に、是非順光で眺めてみたいと思います。
下津井瀬戸大橋櫃石島橋(奥)と岩黒島橋(手前)
いよいよ南備讃瀬戸大橋をくぐります。東京のレインボーブリッジもそれなりに大きく感じますが(主塔の高さ126m、中央経間570m)、この橋は主塔の高さが平均で190m、中央経間は1,100mあります。
それにしても、橋をくぐる度に興奮して写真を撮りまくるのはどういう心理状態なのでしょうか、自分でも理解し難いものがあります。
こちら側にくると、角度的に本州側の下津井瀬戸大橋が綺麗に見えるようになりました。
興奮冷めやらぬまま、前からフェリーがやって来るのに気が付きました。
四国開発フェリーの「おれんじホープ」でした。2004年出来の比較的新しいフネなので、一度乗ってみたいのですが、新居浜−神戸間に就航しているためなかなか機会がありません。下りは1便として4時に神戸を出港し、11時に新居浜に到着、上りは2便として新居浜19時20分発、神戸2時40分着なので、東京からだと使い辛いのです。
「おれんじホープ」は西に向かう航路なので、これから北備讃瀬戸大橋をくぐることになります。40分ほどの橋ならびに航路ワッチスタンバイをひらき、朝食に6F「春日」に初めて行ってみることにしました。
「春日」は洋食の「アメリカン・ブレックファースト」を食べることが出来ます。本船では「軽めに朝食を済ませたい場合」という位置づけです。サラダと卵料理はオーダー式で、それ以外はビュッフェコーナーから持って来ます。
パンコーナーヨーグルト、ジュース類カットフルーツ
卵は目玉焼きの両面と、ソーセージにしました。ラタトゥユ風の野菜が一緒についてきました。
朝食が終わって、「春日」の外にある「ダイニングテラス」をチェックしに行きました。この季節は寒くて無理ですが、なかなかいい感じのテラスです。
9時からは4F「ドルフィンホール」でソシアルダンス教室があったので、遅れて見にいきました。種目は定番のマンボだったので、夫がフロアに出ていきました。私達のダンスも、2005年夏に本船のこのダンス教室からスタートしました。
夫をダンス教室に置いて外に出てみると、左舷には小豆島が見えていました。小豆島では日本で初めてオリーブの栽培に成功しましたが、その小豆島産のオリーブオイルが今回のクルーズの夕食時、バターと一緒に出てきました。
宅急便の荷物は10時半までにドアの外に出しておくと、自動的に発送してもらえます。便利なシステムだと思いますが、出発時の発送締め切りが出港の1週間ぐらい前(のイメージ、今回は3日締め切りなので5日前)なので、そんなに早く用意が出来ず、利用を断念しています。
午前中のこの時間帯は、書初めや輪投げ、マジック教室と11時からは菊乃井の村田吉弘氏とあまから手帖の門上武司氏による「あまからトークショー」などのイベントが目白押しでしたが、私達はのんびりワッチを楽しむことにしました。

日本郵船のPCC(自動車専用船)「PROCYON LEADER」が小型の内航船を追い抜かしています。常石造船の2000年出来で4,300CEUは長さ179mと本船より10m長いのですが、航海速度は21ノットもあるので納得です。
ショコリキサーの提供が11時半で終わってしまうので、本クルーズ二度目の注文をしました。今回はこぼさないようにしなくては。
正午近くに、明石海峡大橋が見えてきました。右に見えているのは淡路島です。
明石海峡を見渡す山の上に、大阪MARTISも見えていました。航路が一気に狭くなる明石海峡の管制を行っています。一番狭いところはたったの2海里(3.6km)だそうです。
明石海峡大橋は日本が誇る世界最長の吊橋で、長さ3,911m、中央経間は1,991mです。あまりに大きいので、主塔のてっぺんでは1,991mプラス9.3cmになります。地球の丸みが影響する程の大きな建造物なのです。
明石市立天文科学館が見えました。ここが東経135度で日本の標準時子午線です。時計台には「JSTM」(Japan Standard Time Meridian)と表示がありました。明石海峡大橋が近づいてきました。
朝方に南備讃瀬戸大橋をくぐって大興奮したばかりなのに、またも大興奮してしまいました。
それにしても美しい橋です。しっかりと構造美を堪能し、30分ほどの明石海峡大橋ワッチを終了しました。
12時15分頃、「新鑑真」とすれ違いました。2010年「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」の上海・韓国クルーズで出会ったフネです。神戸港を12時に出港し、約2日かけて上海に向かいます。
ここらで一旦部屋に戻り、キャリーバッグを1つだけ下船口に運んでもらうため、ドアの外に出しておくことにします。宅急便の締め切り時刻とは別に、12時から1時間の間に出しておくと、自分で運ばなくて済むのです。
昼食は7Fの「リドテラス」で食べることにしました。このスペースは今回の改装でとても良くなったと感じます。

本日のメニューは黒毛和牛ハンバーガー、焼きうどん、ほうれん草&ベーコンスープだったので、すべて注文しました。

13時過ぎに神戸港内に入り、タグボートがやって来ました。クルーズも最終章です。
国際信号旗は第2代表旗、「S」「E」で、神戸港入港の手引きによると「第2区の新港第4突堤東側から新港東埠頭東側に至る間の係留施設に向かって航行する」を意味しています。
左に見える神戸大橋のすぐ右が、神戸ポートターミナルです。
タグボートは右舷後方についていて、本船はこのまま入って左舷付けするようです。ウィングには恒例の「UW1」旗が出ていました。
予定より少し早く、14時10分前に神戸港に着岸しました。そろそろ部屋に戻らないと、今回は5Fのキャビンなのですぐに下船コールがかかりそうです。
と思ったとおり、14時過ぎに下船コールがかかりました。4日間を過ごした第二の我が家を後にする、クルーズで最も寂しい瞬間です。
そして新装「にっぽん丸」を後にしました。
まっすぐ新神戸を目指すのかと思いきや、「ちょっと新快速に乗って行こう」ということで、三宮までポートライナー、そこから新快速で新大阪に向かいました。

「のぞみ34号」新大阪15時35分発で東京まで帰りました。もちろん最新鋭N700系の快適な旅を楽しみましたが、家に着いたのは19時近くになりました。時間に余裕があれば、クルーズの余韻の残る神戸で後泊するのが良いと思いました。

新しい「にっぽん丸」は公室が増え、またダイニングや軽食の選択肢が増え、特に洗濯機がバージョンアップしていたのがポイント高かったです。また新しいロゴ「NIPP●N MARU」も気に入ってしまい、ついついロゴ入りグッズを大人買いしたのは、商船三井客船の思うツボと言ったところでしょうか。【2011年11月記】

夫のブログ「改装 にっぽん丸」(2011年1月16日)