ブラジル観光ビザの取得について

乗船記の内容からは離れるのですが、ネットにブラジルの観光ビザに関しての情報が少ないのと、特に写真と署名のアップロードに関してはほとんど記述がなかったので急遽このページを作成することにしました。

ブラジルに入国する際には、観光目的であってもビザ(観光ビザ)が必要です。前回1999年に旅行した際には勤めていて時間が自由にならかったため、手数料を支払って旅行会社に代行取得してもらいました。ただ手続きが面倒なイメージがあったので今回も代行取得と考えていたところ、手数料が概算で15,000円であると連絡がありました。領事館への手数料3,500円を含んでいるとはいえ、ちょっと躊躇してしまう金額です。前回と違い今は時間が自由になる専業主婦、稼げませんが労働力で経費削減することは出来ます。自分で出来るものなのかどうか在東京ブラジル総領事館のホームページを調べることにしました。

ざっくりと読んだ感じ必要なものは

  1. 申請時6カ月以上の残存有効期限のある、査証欄に見開きでページが残っているパスポート
    パスポートはたまたま二人とも今年更新したばかりなので特に心配はありません。
  2. ブラジル往復の交通手段のエビデンス
    航空券(e-チケット)の控えなど。これは客船で入る場合はどうなるのか、とりあえず旅行代理店のJTBに問い合わせてみようと思います。
  3. 一人25万円程度あることのわかる、金融機関印の入った預金残高証明書
    銀行のホームページを見ると、店に行けば756円で発行すると書いてありました。取引(口座のある支)店はすぐそばなので、その場で発行してもらえそうです。また証明書の名義は夫でも私でもどちらか一方でも良い(ただし残高は2名分の50万円が必要)そうですが、夫と私の関係を証明するために続柄の入った住民票が必要です。

これらを添えて、インターネットで必要情報を入力した申請書(RER)をプリントアウトしたものを五反田にある総領事館に午前中に提出しに行けば、1〜2週間で発行してもらえそうです。この8月24日から申請用の写真と署名をアップロードしなくてはならなくなったのがまた一つ面倒ですが、幸い我家にはプリンターもスキャナーもあるので何とかなるでしょう。

と、言うことでJTBに自分で申請しても良いか確認することにしました。もしJTBの扱う乗船客が全員代行取得だった場合、私たち二人だけが自分で取りますと言うと余計な管理手間がかかって申し訳ないと思ったのですが、幸い他にも自力で取るという人がいるそうです。2.のブラジル往復手段のエビデンスは郵船クルーズから送ってもらえるよう手配してくれるとのことなので、それを受け取ってから自分で手続きをすることにしました。ビザの日付から90日以内に入国しないと無効になってしまうので、このクルーズのブラジル入国日である2016年2月6日から逆算して11月の第2週に手続きをすることにします。

実際の手続き・必要書類の準備

  1. 郵船クルーズの証明書の受領
    JTBの手配により、10月中に中村キャプテンのサインの入ったカッコいい証明書が届きました。このまま記念に手元に置いておきたい見栄えでした。
  2. 預金残高証明書取得
    みずほ銀行の場合前日付から約1カ月前まで遡って発行してもらえます。ビザ申請書を提出する日付の1カ月以内という縛りはありますが、当日にせずカッコつけて残高の多めだった日にしてもらいました。閉店間際に行ったせいか、そんなに待たずに作ってもらえました。
  3. 住民票の取得
    残高証明書を1通で済ますために必要な書類です。また、ブラジルのビザ申請は原則本人または指定旅行業者ですが、家族(配偶者や1親等)が申請することも可能です。その際に戸籍か住民票で関係を証明する必要があったのですが、この残高証明書用の家族証明と合わせて1通で足りました。
  4. 申請用写真の用意
    約4.5cm×3.5cmのものが必要だったので、以前国際免許証を取得した時のを流用することにしました。背景が白でなくてはならない、自然な表情で正面を向いて等色々縛りがあります。顔さえしっかり写っていれば背景は多少灰色気味でも問題ありませんでした。
  5. RERの作成
    インターネットで必要情報を入力して、申請書の表紙部分(ビザ申請控え)を出力します。入力の仕方については在東京総領事館のHPに手引き「ビザオンライン申請のご案内」があるので、それを参考にしました。入力必須である項目はチェックがかかるので、漏れることはなさそうです。ブラジルでの滞在先は「On board MS ASUKA II(飛鳥U船上)」「at port of Santos(サントス港)」と入れておきました。

    すべて入力し終わると、写真とサインのアップロードをしなくてはなりません。写真の場合は画像データがあるかもしれませんが、署名は紙に書いたものをスキャナーで読み取らなくてはなりません。画像はJPG又はPNG形式で、
    1.写真のサイズは177 x 236px から354 x 472px の範囲内かつ縦横比4:3
    2.署名画像のサイズは236 x 67px から 507 x 141px の範囲内
    である必要があります。これはスキャナー(のデフォルト設定)で読み取った後、画像編集ソフトでサイズ変更(リサイズ)をして対応しました。

    写真とサインのアップロードが完了したらPERにアップロード済である由表示されます。また、PERは一旦作成しても項目の訂正は可能ですが、作成後は1ヶ月以内に(領事館に出向いて)申請をしなくてはなりません。また領事館に提出した後は(当然のことながら)ロックがかかって修正出来なくなります。

    必要項目を入力し、アップロードを終えたらビザ申請控え(pdf形式)を印刷し、アップロードした物と同じ写真を貼り付けて、所定欄に署名をしておきます。

申請手続き

  1. 五反田にあるブラジル総領事館に行く。申請出来るのは9時から12時の間のみなので10時頃到着するように出掛けました。
  2. 総領事館に入ると案内の人がいて、観光ビザの申請である旨告げると受付番号札を印刷する機械を操作して、番号札を渡してくれました。たまたま誰もいなかったのですぐに呼ばれました。
  3. 五反田駅西口前のビル洋服の青山の2F入ってすぐ2Fへの階段がある受付札

  4. 窓口(14番)で必要書類を提出します。すなわち申請書控え、ブラジル入出国のエビデンス、残高証明と住民票です。
  5. 窓口の人が書類をチェックしてくれて、OKであれば振込依頼書を渡されてブラジル銀行で手数料を払って来るよう言われます。場所も親切に教えてくれました。
  6. 第三京浜を挟んで歩いて数分のブラジル銀行の窓口で手数料を支払いました。ブラジル銀行にも案内の人がいて、用件を告げると奥にある専用窓口に直接行くよう言われました。番号札を取る必要はありません。
  7. 払い終わってピンクの控えをもらい、ブラジル総領事館の窓口に提出します。この時は改めて番号札を取る必要はなく、処理が終わって窓口が空いた瞬間にさっと滑り込んで渡します。
  8. 支払いの控えとビザ引換証をホッチキスで止めて渡してくれるのを受け取って申請作業は終了しました。この引換証があれば、夫の分も問題なく受け取れるそうです。
  9. ブラジル銀行店内一番奥の専用窓口ビザ引換証と支払い控
HPには書類に不備ある場合は申請を受け付けません、とハッキリ書いてあったので緊張しながらの申請でしたが、空いていたこともあって合計20分足らずで終了しました。領事館の中はポルトガル語が飛び交うブラジル空間でしたが、窓口の人は普通に日本語が通じます。

観光ビザの受領

引き換え証には5営業日後である翌週の同じ曜日が書いてあったのですが、ネットでビザ申請の進捗状況(左の画面)をチェックしたところ水曜日には受取可能(Ready for Collection)というステータスになっていました。でも元々丁度1週間後に取りに行くことにしていたので、金曜日に再び五反田まで出掛けました。受領出来る時間は申請の時と異なり12時から13時の間です。申請の時と同じく番号札をもらい、同じ14番窓口に呼ばれました。パスポートに顔写真の画像の入ったビザが貼ってあるので、名前と記載されたパスポート番号をチェックするよう言われ、間違いなければ受領のサインをして完了です。たまたま夫のビザのシールが剥がれかかっていたらしくその場で一旦引っ込めて奥で再作成したため、自分のを受けとった後少々待たされました。その結果、私のビザは水曜日付、夫のビザは受領日当日の金曜日付というブラジルらしい現象が起こりました。

ということで、そこそこパワーを使ったブラジルのビザ申請でしたが、いつの間にか米国のESTAもかなり入力項目が増えていて、やってみたら前よりかなり面倒になっていました。ブラジルは代行取得の手数料が特に高いので、総領事館のある東京・浜松・名古屋に無理なく行ける範囲に住んでいる場合はやってみる価値がありそうです。【2016年1月記】

【2020年2月追記】日本およびオーストラリア、カナダ、米国国籍の人の短期ビザ(観光、商用、トランジット等)は2018年1月11日からe-VISAによる取り扱いが始まり、残高証明やチケット控えなどの書類が不要となった上、領事館に出向く必要がなくなったため大幅に手続きが簡素化されました。この簡素化により観光客が増えたことに気を良くしたブラジルは、2019年6月17日よりこれらの国に対してビザを免除してくれることになりました。嬉しい半面ちょっと名残惜しいです。例えると、苦労して歩いて登った山に道路が開通していまうような…。