しまなみ海道(2004年3月13日〜14日)

国内で飛行機に乗ることは滅多になかったのですが、夫の3月末期限のJALクーポンを利用して出張で夫が良く行く広島・愛媛近辺に連れて行ってもらうことになりました。

休みを取らない土・日の日程で無理なくこなせるスケジュールということで、広島に着いたらレンタカーして今治まで行き、翌日引き返してくることになりました。
しまなみ海道の地図

1日目
朝はゆっくり目のスタート、軽く家事を済ませ集合場所は京急羽田空港駅改札外のスタバ前です。公共の交通機関を使って羽田空港に行くのは久しぶりですが、日本橋から空港まで直通の電車があるのでかなり便利になりました。JAL・JAS統合といいつつ、今回有楽町のJALプラザで入手したチケットは機械でチェックインが出来ず、ちょっと離れたJASのカウンターまで行く必要がありました。機材はエアバスA-300、塗装はJASのままでした。
天気は晴れ、座席は左側、飛び立つと間もなく横浜のみなとみらい地区が眼下に見えました。それから富士山も割と綺麗に見えましたがずい分雪が少ない印象でした。
広島空港のトヨタレンタカーで予約してあったカーナビつきプレミオを借りました。夫が車の専門誌で「大人の車、とても良い」と評判なのを読んで是非乗ってみたかったそうです。カーナビに空港から10km離れた所にあるフェリー港、「忠海港(ただのうみこう)」を入力しいざ出発。山の上にある空港から港を目指し、迷うことなく港に到着しました。

忠海港は人が少なくかなり寂しい感じのローカル港でした。とりあえず大三島フェリーのフェリー券(普通乗用車4-6m 2,400円)と同乗者券(250円)を買い、昼を食べていなかったのと30分位時間に余裕があったので軽い気持ちでコンビニを探しに行きました。

と・こ・ろ・が。ちょっと歩けばすぐコンビニがあるいつもの感覚はそこでは非常識ということがわかりました。全然みつからない。仕方なく寂れた感じの売店(まさしく売店。埃をかぶった(様に見える)お菓子とかパンとか野菜とか果物とか雑貨とかを売ってる)に入り、賞味期限ちょうどのパンと缶コーヒーを買いました。夫はおにぎりとその値段出せばそりゃ甘かろうと思われるいよかん298円也を買っていました。それを車の中で食べてから乗船。途中大久野島に寄港後約30分後に大三島盛港に到着しました。ここから大山祇(おおやまづみ)神社まで約15分、迷うことなく到着しました。

大山祇神社は、御祭神大山積大神お(おやまづみのおおかみ)の子孫である小千命(おちのみこと)が、およそ2600年くらい前、神武天皇東征に先がけ四国に渡り治安を司っていた時に大三島を神地と定め鎮祭したことに始まるそうです。以来神の鎮まる神聖な島「御島(みしま)」と呼ばれ、大三島の呼び名の語源となりました。本州、四国、九州を鎮守する日本総鎮守の神として崇拝されてきました。大山積大神は天照大神の兄神に当り、神社には山幸神(山林・鉱山の神)、和多志神(航海の神)、大水上神(治水、稲作の神)、塩筒神(陸上・海上交通の知識神)、事勝国勝長狭神(戦勝の神)が祀られています。

それにしてもさっき羽田のスタバにいたのに、半日経たずにこうして歴史深い神社を散策しているのだからなんだか不思議です。海事博物館が併設されていましたが、主な展示物は古い鎧や兜等らしいのでパスすることにして、次は塩で有名な伯方島に向かいました。

夫はこの島には良く来るので地図はほとんど頭に入っており、最短コースでお勧めポインであるふるさと歴史公園の展望台まで連れて行ってくれました。土曜日なので残念ながら船舶はあまり航行していなかったのですがしばらく行き交う内航船を眺めていました。展望台に伯方町郷土資料館が併設されていたのですが、何が展示されているのか聞いたら「古い土器など」と言うので特に興味も沸かずパスしました。後で調べたら塩田とか船舶の歴史とかの展示があったみたいでちょっと見てみたかった気もしました。ちなみに伯方の塩の原産国は主にメキシコで、最後の部分だけ伯方で加工しているそうです。

伯方島を後にしていよいよ来島海峡大橋を渡ります。来島海峡大橋はしまなみ海道の最終点、航行の難所来島海峡に架かる世界初の三連吊り橋です。今治−大島間の約4,105mが3つの橋で結ばれています。今治側にある来島海峡第3大橋が1番長く1,570m、来島海峡第2大橋が1,515m、大島寄りの来島海峡第1大橋が960mです。塔の高さは海面から184m、橋桁の高さは65mで、東京湾のレインボーブリッジ(主塔の高さ120m、海面から 52m、長さ 918m(主塔間の距離570m) )を余裕で上回ります。世界初だけのことがあって大変迫力がありました。ただ通行量はとても少なく本当に必要だったのかという点では疑問が残りました。


まず第1大橋

カッコい〜い

逆光だったので振り返って1枚
今治市に入り、これまたカーナビのおかげで今治国際ホテルに無事到着。ここは今治造船が経営しているので、ロビーには所有船舶の模型がいくつか置いてありました。チェックインした後すぐにタクシーで夫が良く行く「伊予水軍」へ。事前に電話した所個室以外の予約は取らないとのことだったので早めに飛び込むことにしました。
来島海峡を臨む絶好のロケーションで来島海峡大橋もほぼ全景が見えています。ただしこの経費の都合でしょうがレインボーブリッジの様に毎晩ライトアップすることはなく、土曜日だというのに暗いままですごく残念でした。
まずビールで乾杯し、それからお刺身とタコのてんぷらとオコゼの唐揚げを注文しました。ここのフロアは女将とおぼしき人が仕切っているのですが、彼女自身がいっぱいいっぱいで余裕がなく、動きの悪いパートさんをその場で叱り飛ばしたりするので雰囲気的にはちょっと残念なものがありました。

2日目
ホテルでゆっくり朝食を食べた後、私がハンドルを握ってしまなみ海道を尾道まで戻りました。本来はこのルートが一般的なのですが、昨日は広島空港から東に尾道までと尾道から向島、因島、生口島までのルートをショートカットして、広島空港から南下してフェリーに乗って大三島から海道に乗ったのでした。しまなみ海道と言っても一部は建設中であるため、島に入った途端一般道に降ろされたりして料金支払いがかなり面倒でしたがそれはそれ、風光明媚な瀬戸内を堪能することが出来ました。ちなみに今治北から尾道までの約55kmが今治北〜大島南間1,700円、大島北〜生口島南間1,550円、生口島北〜西瀬戸尾道間1,300円の3区間に分かれています。結構高いです。
来島海峡大橋の他メジャーな橋としては大三島(愛媛県)と生口島(広島県)を結ぶ多々羅大橋があります。長さ1,480m、主塔間距離890m、主塔の高さ230mで世界最長の斜張橋です。同じ斜張橋である横浜ベイブリッジは長さ860m、主塔間距離が460m(主塔の高さ175m、海面から56m)ですからそのスケールがわかります。ただ人工物に混ざってその大きさが際立つベイブリッジと比べ、瀬戸内の自然に囲まれている多々羅大橋はそれ程大きくは見えませんでした。この橋がよく見える上浦PAでおみやげをと思い、目に入った「伯方の塩まんじゅう」というのを面白いから買おうか迷ったのですが、夫に「そんなの空港にもあるよ」と言われ、ホントかなぁと実は一瞬疑ったものの、この辺りには良く来るエキスパートなんだしと納得してとりあえず購入を見送りました。

尾道駅前の無料駐車場に車を止めて、山陽本線沿いにしばらく歩いた後、線路を越えて志賀直哉邸の方に上って行きました。ちょっと汗ばむ陽気でしたがのんびりとしたいい時間でした。途中白い飼い犬がトコトコ付いて来て、千光寺まで案内してくれました。



←志賀直哉邸と白い犬

少し前のBS名画劇場で小津安二郎の「東京物語」を見たこともあって、海を見下ろしながらちょっと雰囲気に浸りました。

昼は有名な尾道ラーメンの店の前まで行ったのですが長蛇の列に夫は最初から戦意喪失、私は非常に残念でしたがレンタカー返却と帰りの便の時間もあったので駅前まで戻って空港を目指しました。空港までは高速道に乗ったのですがこれまた自動車が少なく、ここの建設費を東名の通行料で払うみたいな不条理はやめてもらいたいと思いました。

車を返却して身軽になると冷たいビールを飲みたくなります。空港内のレストランでビールと枝豆を食べて喉を潤し、そのあと本場尾道で断念したラーメンを食べました。濃い目の味つけでまぁまぁ美味しかったです。それから、みやげ物をと思い先ほど目を付けた伯方塩まんじゅうを探しに出発ロビー階の売店をうろうろしたのですが・・・・、塩まんじゅうなんてどこにもナイ。端から端まで2往復したのにみつかりません。2人の間にやや重い空気が垂れ込めます。夫がぼそっと「…伯方島は愛媛県だよなぁ、ここは広島県だもんなぁ、ある訳ないか」 。って、そーだよ、そーですよね。やっぱりないじゃん。PAで「ホントに空港にあるのかな?」と疑念を抱いたのだから、どうしても確実に手に入れたければその場で買えば良かったのです。でも夫が「そんなの空港にもあるって」というのを「いや、ないと思う」と真っ向から否定するのはどうかと思ったし、それで雰囲気が悪くなるのも馬鹿みたいだと思ったし。ということで本件は「伯方の塩まんじゅう事件」と命名し、夫が強気に出てきた時、やんわりと諫めた方がいい場合に呪文の様に唱えることにしました。

結局おみやげにはもみじ饅頭で有名なにしき堂の「ふ餅」(生麩につぶ餡又はこし餡が入ったお菓子を笹の葉に包んだもの)を買い求めました。ちなみにバラ売りだと1つ120円ですが、5個入りの袋は680円とちょっと不思議です。


といった感じの短い日程でしたが、早春の瀬戸内を楽しむことが出来ました。ガイドブックすら読まないという不真面目さだったため、色々見落とした物はあるかもしれませんがのんびりとしたいい旅行でした。【2004年9月記】


1日目
2日目
11:05羽田−12:35広島 JAS207
13:00レンタカー
13:30忠海港
14:00フェリー発
14:40大三島盛港着後大山祇神社見学
15:30伯方島着後展望台
16:40来島海峡大橋を渡り今治国際ホテル着
17:10伊予水軍にて海鮮料理
19:00今治国際ホテルのバー
09:30今治国際ホテル発
しまなみ海道をゆっくり北上
11:00尾道駅前着、志賀直哉旧宅、千光寺見学
12:10尾道発、広島空港へ。レンタカー返却
13:00空港にてビール、枝豆、尾道ラーメンとソフトクリーム
15:10広島−16:30羽田 JAS208
食事 伊予水軍
今治市湊町2-6-37 電話0898-32-2000
宿泊 今治国際ホテル
今治市旭町2-3-4 電話0898-36-1111


出発前の3月1日に夫が作った日程表。なかなか計画的。
第1日目
空港、レンタカーP/U −30分− 忠の海港
    忠の海港−大三島フェリー25分−大三島 盛(さかり)港
    以下しまなみ街道
    大三島:大山祇神社(海の神様)
    生口島:平山郁夫美術館
    伯方島:展望台
    −来島海峡大橋−
    今治:今治国際ホテル泊(温泉、温水プールあり)
        夕食来島海峡を望む海鮮料理屋「伊予水軍」
        夕暮れ時通峡する大小の船を眺めながら食事

第2日
    しまなみ街道を尾道まで戻る。
    千光寺に登る(徒歩約30分)途中志賀直哉旧宅など
    見学。尾道ラーメンで昼食。
    時間余裕あれば、福山の鞆の浦まで足をのばす(江戸の
    町並みがそのまま残っている)

    空港もどり。レンタカーリターン。

って日程でどう?