はじめに

私の父方の祖父は外国航路の大型客船の通信局長でした。職場だったその船は横浜港に係留され余生を過ごしています。舞鶴にあった父の実家を訪ねると祖父が集めた海外の民芸品が置いてあったり、戦前の定期航路船のある日のメニューがあったりで子供の頃から船への興味を持ちやすい環境だった・・・ということから小型船舶操縦士の資格を取ろうと思い立ちました。

と、思い立ったのはマリンスポーツのハイシーズンであった去年夏なのですが、仕事が忙しくて休日出勤続きだったためやむなく断念、最近仕事が落ち着いて来たので時期としては最悪だと思いつつ短期間で勝負してしまおうと師走になって「ケイコとマナブ」を買い求めたのでした。

小型船舶操縦士の資格を取るためにはスクールに通ってその後国家試験を受けるのと、国家試験免除の国土交通省指定コースに通うという2つの方法があります。インターネットで調べた結果、前者の場合国家試験の実技の日程が学科の合格時点まで決まらないので仕事を持っているとちょっと調整が大変そうなこと、一方後者の方はたまたま学科が麹町、実技は江東区の東京湾マリーナと通うのに便利な場所にあったことから試験免除の「JEISボート・ライセンススクール」<関東支部・学院>に狙いを定め、12月中旬に日程他の資料を取り寄せました。費用はこの国家試験免除の方が若干高いです。

資料によると小型船舶の免許には航行区域と船の大きさによって1級から5級まであり、その中で最もポピュラーな4級は5海里と平水区域、5トン未満となっていました。1海里までの5級が数年前に出来たそうですが1海里ではいかにも寂しいなと思って4級を受験することに決めました。免許取得にかかる時間は学科3日実技が2日で、短期集中の「年末年始コース」(学科12月29、30、31日/実技1月12、13日)というのがあったので丁度いいと申し込みの電話しましたが、既に予約が一杯とのことで仕方なくその次のコース(学科1月12、13、19日/実技2月2、3日)を予約しておきました。ちなみに学科は固定ですが実技は別日程が3パターン程用意されており、私の場合も実技は1月26、27日という選択もあったのですが休日出勤の匂いがしたため安全のためはずしておきました。

船舶免許の種類

免許の種類
船舶の種類
総トン数
航行区域
1級小型船舶免許
外洋小型船
20トン未満
平水区域および陸岸より100海里以内(※)
2級小型船舶免許
沿岸小型船
20トン未満
平水区域および陸岸より20海里以内
3級小型船舶免許
沿岸小型船
20トン未満
平水区域および陸岸より5海里以内
4級小型船舶免許
沿岸小型船
5トン未満
平水区域および陸岸より5海里以内
5級小型船舶免許
海岸小型船
5トン未満
平水区域および陸岸より1海里以内
湖川小馬力5級免許
10馬力未満の小型船
5トン未満
湖・川および指定区域
(※)岸から100海里を超える場合は6級海技士〈機関)以上の資格を有する機関長が乗り組む必要あり。


ところで2級と3級小型船舶の取得コースはどこを捜してみ見つからないと思ったら、新規にこの資格を取ることはあり得ない様です。というのは昭和49年の船舶職員法改正によりそれまでの「小型船舶操縦士」が1級から4級小型船舶操縦士に分かれた時、改正時点で小型船舶操縦士免許を保有していた人に対し一律に1級小型船舶操縦士が与えられた訳ではなく、実際に船舶を航行させていた範囲に応じて各級に切り替えられた経緯がありこの時に2級と3級の免許が便宜上発行されたのですが、新規では1級と4級の二種類でニーズを満たすことが可能だからだそうです。