サファイヤ・プリンセス メキシカン・リビエラクルーズ乗船記 (2009年3月28日〜4月4日)

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1日目 ロサンゼルス 出港16時
外国船のフライ&クルーズは、現地までのフライトと語学の面倒臭さを克服すれば、リーズナブルなサービスを楽しむことが出来ます。ただし、勤め人としては、現地まで往復する手間と時間をかけるからには最低1週間はフネに乗っていたいと考えてしまうとかなり選択肢は狭まってしまいます。その残り少ない選択肢から、今回はロサンゼルス発着の「メキシカン・リビエラクルーズ」に行くことになりました。

<キャビン選択の検討経緯>
ハワイやアメリカの西海岸は、時差の関係で日本を土曜日に出発したら同じ日の午前中に到着するため、土曜日から土曜日までの7泊8日のクルーズを楽しむことが可能です。これらのクルーズは大抵の場合土曜日の早朝に帰港するので、そこから空港に行けば無理なくお昼位の日本帰国便に乗ることが出来るのです。よってこの地域の定点クルーズは月〜金までの1週間の休みにぴったりの、社会人向けのクルーズと言えるでしょう。

今回のロサンゼルス便は午前11時に到着予定で、フネの乗船受付時間は12時から15時、出港は16時です。余裕のタイムスケジュールだと思っていましたが、慎重な夫は「便が遅れるかもしれないし、入国審査に時間がかかる可能性もある。心配だから前泊しよう」と言い始めました。余分に1日休むのは会社人として絶対ムリ、と旅行代理店経由プリンセス・クルーズに「このフライトで大丈夫か」尋ねた所、「問題なし」との回答を得たので、それでも心配な夫に「トラブルなんて確率論の問題でしょ。そんなに心配なら一人で先に行ってて」と「前泊なし」を押し通したのでした。

そのフライトは遅れることもなく定刻より少し早く到着し、入国審査でも必要以上に待たされることもありませんでした。夫によると、入国審査では「クルーズに行く」と言うと概ね好意的に通してくれる印象があるそうです。税関を通り終えて外に出ると、普通にタクシーをつかまえてサン・ペドロ港に向かいました。ロサンゼルスは、緯度的に同じ位の東京よりも大分暖かく、日差しも柔らかくこれから始まるクルーズも楽しい予感です。
クルーズターミナルは、サン・ペドロ商業港の端の方にあり、土曜日は本船「サファイヤ・プリンセス」とNCL「ノーウェジアン・スター」が出発していきます。到着すると早くも乗船客が沢山集まっていて、陽気な雰囲気になっていました。
建物の外でスーツケース2つを無事預け、ターミナルの中に入りました。この建物の外、というのが国内の港との大きな違いです。
定員2,670名のフネがほぼ満船らしいので、窓口もかなりの数が用意されていました。日本でオンラインで手続きを済ませ、必要書類をプリントしてあったのと、リピーターおよびスイート以上客室用の優先窓口があったので、あっと言う間に乗船手続きは終了しました。
乗船するまで待合室で少しだけ待機した後、11Fバハ・デッキの左舷一番前にある私達のキャビンを目指しました。長い廊下を進んで行くと事前に何度もデッキプランでチェックしてあった「B104」がありました。先ほど預けたスーツケース2つのうち、1つだけ既に到着していました。

カードキーでの開錠ももどかしく、初スイートの部屋よりも何よりも、まずはバルコニーに一目散でした。一歩出て右を見ると船首の満船飾が、振り返ると1つ上に本船の特徴であるシュモクザメの様なブリッジが。夢の様な光景です。

部屋からバルコニーに出た正面には、食事も出来るテーブルセットが置いてありました。スイート客は追加料金なしに、ここでアフタヌーン・ティーを楽しむことが可能です。航行中の船首からの風を避けるため、バルコニーのメイン部分とは壁と扉で仕切られていました。
想像以上のバルコニーの広さと眺めに、テンションメーターは振り切れてしまいましたが、気を取り直して部屋を見渡しました。ドアを開けるとまずリビングがあり、ドアの右手に寝室があります。

テーブルの上にはフルーツとチョココーティングした苺がありました。冷蔵庫はビール2本とソフトドリンク類がサービスで入っていました。ただしこれは事前チェックによると乗船時の1回だけです。

この後、この部屋のサービススタッフのエミリオが挨拶に来ました。スーツケースが1つ届かないので、特徴を言って捜してもらうことにしました。スーツケースは部屋番号のタグが外れてしまっていたため、迷子になったようでしたが、無事みつけて来てくれたので安心して船内探検に出かけることにしました。本船は今まで乗船した中で一番大きく、幅37メートルもあることからパナマ運河を通航出来ません。その分やはり広々としていました。

14F「ネプチューン・プール」14F室内「カリプソ・プール」16Fの「ジョギング・トラック」

上層のデッキにはスポーツ施設が沢山ありました。「ジョギングトラック」は10周走って1マイルと書いてあったので、実際に走ると退屈しそうです。本船の右側には同じ「メキシカン・リビエラクルーズ」に出るNCLの「ノーウェジアン・スター」が停泊していました。91,000トンのフネですが、バランスが良くて綺麗です。
一旦部屋に戻ると、サービスの生花が置いてありました。バルコニーからは、コンテナ船「NYK LODESTAR」が緑色に塗られた「ビンセント・トーマス橋」をくぐった所でした。本船より一回り大きく全長299m、幅は40mもある6,400個積みですが、積んでいるのはリーマン・ショックの後遺症なのか6〜7割と言ったところでしょうか。
日差しが強いので夕方だという感じがしませんが、本船と同じ16時出港予定の「ノーウェジアン・スター」が先に出て行きました。大きいのでよくわかりませんが、本船も舫いを解き、スラスターで岸壁を離れました。出港の雰囲気を味わおうと一旦上の方のデッキに行きましたが、折角の船首バルコニーも味わわなければ、とすぐに戻りました。

岸壁を離れるとすぐに右に向きを変え、EVERGREENのコンテナ船「HATSU EXCEL」 の脇をすり抜けて行きました。

後で調べたら、先ほどの日本郵船のフネとほぼ同じサイズで、三菱神戸造船所生まれです。

本船にはプリンセス・クルーズの日本人コーディネーターが乗船しており、部屋には予め船内紙「Princess Patter」とその日本語版が置いてありました。それによると16時半から日本語の乗船説明会と避難訓練があると書いてあったので、コンテナ船に別れを告げて、集合場所である7Fの「チャペル」に行きました。
コーディネーターの女性が20数名乗船している我々日本人のために、本船での過ごし方を説明してくれました。この中で、いまひとつ「パーソナル・チョイス・ダイニング」の4つあるレストランの違いがわかりませんでしたが、とりあえず明日のフォーマル日の予約をお願いすることにしました。説明の最後に持参した救命胴衣を着用しての避難訓練がありました。

ちなみに英語人用の通常の避難訓練は15時15分から行われていました。

17時過ぎに部屋に戻って来ると、ウェルカム・シャンパンが置いてありました。早速乾杯した後、バルコニーで冷蔵庫のビールと持参したつまみを楽しみました。

遠くには先行する「ノーウェジアン・スター」が見えていました。暖かい風に吹かれながら、ビールを飲みながら、フネを見ながら最高の気分でした。
ビールを飲んですっかり気持ち良くなった夫は、この後1時間ぐらい気絶していました。時差で私も相当眠たかったのですが、夜眠れなくなるのも嫌なので広い船内を探検していました。それにしてもこの幅は凄いです。一瞬自分が前を向いているのか、横を見ているのかわからなくなります。
本船は、夕食の食べ方は「トラディショナル」と言う所謂指定席(固定シート)の二回制と、「パーソナル・チョイス」と言って好きな時間に好きな場所でという二種類から選択することが出来ます。固定制の横メシは辛いので「パーソナル」にしてありましたが、今日のところはいまひとつ調子が出ていなかったので、レストランに行かず14F「ホライズン・コート(ビュッフェ)」で済ますことにしました。

味はいかにもアメリカ、という感じ(と見た目)でした。

夫のチョイス私の選択〆にはデザートとコーヒー

帰り道に同じ14Fの室内プールの様子をチェックしたところ、結構な人が楽しそうに泳いでいました。
21時頃部屋に戻るベッドがセットされていました。予約時に特に指定しませんでしたが、日本からの予約は自動的にツインのアレンジメントになるようです。