実技講習
実技講習の大まかなスケジュールです。
天気が下り坂だったため実際にはかなり変則的なスケジュールとなりました。
日程 | 実習内容 | ||
2月2日(土) | AM | 実習帳・プリントの説明 出航前の点検 基本実技 (発進、直進、停止、変針、蛇行、着岸、離岸) |
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PM | 基本実技の復習 実技教本の説明 ロープワーク ハンドコンパスによる方位測定 |
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2月3日(日) | AM | 応用実技(人命救助) 海上交通三法 |
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PM | 綜合実技(航海計画等) 操船復習 事故防止と処置等 |
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dmy | 審査 |
1日目
東京湾マリーナは営団地下鉄東西線の南砂町から車で10分位の所にありました。初日は8:15と8:30に、1日目は8:30にマリーナのバスが運行されていたのでそれを使ったら便利でしたが、2日とも貸し切り状態でした。マリーナの敷地にJEISの講習室があり、到着したら教官2名と生徒2名が揃っていました。もう1人来る予定でしたが時間になっても来ないので簡単なオリエンテーションのあと9時から授業を開始しました。
まず操船の基本というか理屈の説明を受けて10時前にいよいよ実習艇が係留してある場所へ。そこでまず係留のための逆もやい結びとクリート止めを習い、出航前の点検の仕方に続く。船体外部、エンジンルーム、装備品、エンジンをかけるとこまで一連の流れとして船の上で教わりました。・・・覚えられるか心配。
で通常1艇に教官1名と生徒3名になる所が、今回は生徒が全員で4名だったので2名づつ。ただし時間になっても来なかったのが私のペアとなるべき奴だった為、私はありがたくマンツーマンの指導を受けることとなりました。あとでわかったのですがもとマグロ漁船の船長に。
まずはいきなりすべての点検作業(船体外部、エンジンルーム、装備品)を命じられ、それから直進(実習艇は右回りのスクリューなので舵がまっすぐだと左に流れるから、微妙にハンドルをずらす必要があり結構難しい)、そして増速、変針。それから蛇行。教官が「増速」って言うと「2500(回転)に増速します!」ってやって増速したら「増速おわり!」という具合にすべて復唱していきます。
変針もそう。「右90度変針」「右90度変針、右よし、右後方よし、減速、増速、変針おわり!」蛇行は等間隔に並んだブイ3つを「第1ブイを右に見て蛇行します!減速!蛇行おわり!」という感じ。
このあと着岸、離岸をやって午前の部終了。
午後に再度出て(もちろんすべての点検をし)今度は人命救助の訓練。これは「右舷落水!」「右舷落水!中立!右転舵!落水者確認。救命浮環投下願います」「投下」「風下より救助に向かいます」で風下まで回って微速前進で落水者に見立てたブイに近寄り「中立、停止、救助願います!」という手順です。
戻って実技審査の口頭試問用の講習とロープワークをやりこれで1日目終了。講習は学科の復習みたいな内容ですが、口頭試問の出題ポイントを教えてくれます。またロープは実技の試験項目なのでこれも真面目にやる必要があります。ちなみにロープは大混乱。自分は空間認識が人より劣るのかまるで手品の様に見えてしまいました。全員にロープを貸してくれたので家で必死に練習をしました。とりあえず逆もやいとクリート止めはクリア。
口頭試問のウェイトはかなり高いとのことなのでもらったプリントに沿って予習、復習。久々にマジになって夜遅くまで勉強しました。
ところでマグロ漁船の船長はとても厳しかったです。終始マグロ漁船に初めて乗り込んだ足手まといの新人状態でした。生徒が1人というのも良し悪しという感想。1人なので丁寧に指導してもらえるのですが、休む間がありません。これが2人、3人だと他の人の操船の間はそれを見ることが出来る訳で、それはそれで結構勉強になるらしいです。まぁ点検作業などは毎回1人で全部やる(3人だと1コづつやるらしい)ので実技審査の時は何でもどんと来い状態にまでなっていましたが。それから東京湾マリーナの実技会場は葛西橋と首都高湾岸線の間の荒川で、 かなり厳しい気象状況でも川面は荒れないため滅多に講習が延期になることはないそうです。
2日目
夜中から雨。冷たい雨が降っているというかなり厳しいコンディション。こんな中終了審査があるのか・・と暗い気持ちになりましたが自然には逆らえません。カッパは必需品ですが、持っていなかったので貸していただきました。上よりズボンの方が重要です。実習艇は屋根があるので頭が濡れるのは出航と帰航の時位ですが、その濡れた身体で座るシートがビショビショになるのでズボンがないと厳しいのです。
最初にまたちょっと講習があり午前の部、出航。極寒の荒川上で昨日の復習、変針、蛇行、人命救助、着岸、離岸。人命も着岸もあまりよろしくなく「何で慌てるんだ」「どうして教えた通りに出来ない」ってな具合に怒られまくりました。人が落ちたら普通は慌てますよね。でもいかなる状況においても慌ててはいけない、それが船長。
午後は総合航海で海図に航路を引いて実際にそこを走ります。目指すは3.4海里先、若洲ゴルフリンクスの突端の東京導標。視界が悪く針路119度の計器航行となりました。しばらくは走ると導標が見えたので今度はそれを狙います。到着したら操船を教官と交代し、導標をぐるっと回ってお台場、レインボーブリッジをくぐって戻るコース。川の水面は割と穏やかだったのですが、海に出るにつけかなり揺さぶられました。バコッ、バコッと船底に波がぶち当たりその度大きくバウンドします。高速で走ると海面はコンクリートになると聞いたことがあるけれどまさにそんな感じでした。
でも信号のない所をブアーっと走るのは爽快でした。お台場でまた操船を交代しレインボーブリッジをくぐる時は嬉しくてドキドキしたけれど、右45度変針を命じられ上を見上げることは出来ませんでした。
本来であればここで一旦戻って終了審査となるのですが、天候の更なる悪化が予想されたためもう1艇と合流し教官が乗り変わって実技の審査を開始しました。