講義は9:00〜17:00位までですが、初日はオリエンテーションがあるので8:30スタートです。家から麹町の海事センタービルは30分もかからないので8時過ぎに家を出て、地下1階の教室に向かいました。4級を取得したのは厳冬の2月で人が大分少なかったのですが、今回は丁度良いシーズンだったためか受講生が多く様子が違いました。教室に入ると半分以上が着席していましたが、前方のホワイトボードに席が書いてあり、前半分が進級コース約20名分の席、後ろの方に1級コースの人達の席10名分位が用意されていました。受講番号順に書類一式がセットされており、着席して海事代理士への委任状等にハンコを押したりして待っていました。身体検査はありませんでしたでした。

9時ちょっと前にオリエンテーションということで、講師の方が簡単に受講中の注意事項を説明してくれた後、講義が始まりました。

時間割は一応配布されましたが、1時間前後たったら休憩するという感じで結果的に下表の様なスケジュールとなりました。

dmy AM PM
8月26日(土)上級運航T運航U海図問題dmy
9月2日(土)運航U試験勉強試験勉強終了審査dmy

上級運航Tは@航海計画A救命設備、通信設備B気象・海象C荒天航法、海難事例からなります。テキストに沿って講師の方が説明してくれました。テキストは4年半前に取得した、旧制度の4級小型船舶操縦士の時よりもカラフルでわかり易くなっていました。

午後に入って、このままの勢いだと1日でテキストが終わってしまうかも、と思っていたら午後2時位まで行けるとこまで行きましょうとのこと。上級運航Uの半分位まで進んだ所で一旦休憩となり、「さあ、それでは今日残りの時間は海図の問題を解いてみましょう」と言われ目が点に。練習用150号と200号(裏表)が渡され、海図例題集の問51〜53の中から指定された10問位を解きなさいとのことですが、唐突過ぎです。午前中の「航海計画」の講義で一通り説明がありましたが、実際に手を動かすとなると勝手が違います。自分だけが突き放されたのかと焦りましたが、進級コースの大半がどうやらペーパー船長だったらしく、講師の方が基本問題を解説してくれることになりました。

試験で海図問題は3問出るのですが、1問目は出航点から到着点まで2度ほど変針するルートの全航程を求めて「何海里」であるか求める問題か、そのバリエーションで全航程をある一定の速力で航行した場合の「所要時間」を求める問題です。航程を求めるための出航点や変針点における船位の求め方がポイントですが、「緯度・経度が指定されている地点」「目標物を右(左)舷正横に見る地点」「目標物を磁針方位○○度、距離○海里に見る地点」等から三角定規とディバイダー(又はコンパス)で見つけ出します。そこから磁針路○○度に変針とあればコンパスローズの目盛から定規をスライドさせて方角を求めます。そうやって求めた航程をディバイダーで測り、4択のうち一番近いものが正解になる筈です。航程の長さにもよりますが、極端に雑にやらない限り何となくそれらしい値になりました。

2問目は自船の船位(緯度・経度)を求める問題で、コンパス方位(自差を考慮する必要がある)とレーダー(相対方位)という要素が入って来ます。「目標物AとBの重視線をコンパス方位○○度、目標物Cをコンパス方位○○度に測定した時」とあれば重視線の磁針方位とコンパス方位がズレている筈なので、自差を求めて、それから目標物のコンパス方位を磁針方位に補正して求めます。「コンパス針路○度(自差○度W)で航行中、レーダーに目標物を方位○○度、距離○海里に測定した時」であれば、まず磁針路を求め、レーダーは前方が0度になるのでその分を補正し、距離と合わせて導き出します。

3問目は流速がある場合の磁針路等を求める問題で、流向の向きは真方位(コンパスローズの外側の目盛り)で表されているのがポイントでした。考え方はベクトルと同じです。ある地点からある地点まで行くのに流向○○度(真方位)、流速○ノットの海流がある場合磁針路を何度にとればいいのか、というパターンと、ある地点から磁針方位○○度、速力○ノットで航行した場合で流向○○度、流速○ノットの海流がある場合の船の実航磁針路と実航速力を求めるパターン、ある地点から磁針方位○○度、速力○ノットで航行したとき○時間後にある地点に到達した場合の海流の流行と流速を求めるパターンと合計3つのバリエーションがありました。

海図問題と格闘しているうちにあっと言う間に17時になり、1日目は終了しました。